「プリシラ」

映画『プリシラ』公式サイト
https://gaga.ne.jp/priscilla/

しっかりした映画。

実力も評価も高いソフィア・コッポラの最新作。
どう評してよいのか最初の言葉選びに慎重になった。
これはあくまでも僕個人の力量の問題かとは思うのですが
ソフィア・コッポラとの最初の出会いが
(これもまた評価はすごく高かった)「ロスト・イン・トランスレーション」。
ロスト・イン・トランスレーション : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/1507/
だが、僕にはどうにもその面白さがよく分からなかった。
そして、今回満を持して臨んだ。
そして感想として第一に浮かんだ言葉がこれ。

父親フランシスの後姿を見て育ち
映画製作というスキルをそれこそとんでもないレベルで学んで自分のものとした彼女だからこそ
その作りには寸分の隙も無いしっかりした作品に作り上げている
それが本作なんだろう。

まぁ、理屈はともかく

ストーリーはいたってシンプル。
プレスリーの妻になるプリシラ
14歳の可憐な少女プリシラがエルヴィスと出会い若き妻となり、来る別れを描く。

彼との重ねられる生活の中から
その揺れる想いや心の変化を
僕たちにもまるでその目撃者のごとく体感させてくれる。
真のスーパースター、エルヴィス
それを取り巻く状況に、通常こうした映画でありがちな(ある意味過剰な)表現描写が抑えられることにより
逆にこちら側への影響力が増すことをコッポラは狙ったんじゃないかな。
過剰な表現描写は抑えられていると書いたが
実はヴァレンティノ、シャネルをはじめ、プリシラを飾る、そのビューティー表現には
「やはり女性監督!」とうなずいちゃいましたね(昨今こういう表現はなんですが・・・)。
また
音楽だが
コッポラの夫トーマス・マーズのポップロックバンドPhoenixが担当している。
作中では以外にもエルヴィスの曲はほとんど聞かれず
エンディングではカントリーシンガーのドリー・パートンが1973年に発表した
「オールウェイズ・ラヴ・ユー」。
この曲をラストに使用したという監督の狙いは当たったと思う。
余談だが
一般的にはこの曲映画『ボディガード』の主題歌として
ホイットニー・ヒューストンがカヴァーしたのがなじみ深いと思う、まっ。
ボディガード(1992) : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/49405/

プリシラ役のケイリー・スピーニー
ベネチア国際映画祭最優秀女優賞を受賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)にもノミネートさ
若い才能に期待。
そして
エルヴィス役のジェイコブ・エルロディ
これがまた何とも言えずに良いのですよ。
プレス資料には
【コッポラは、プリシラの相手役には、数えきれないほど映画やテレビ、文学で描かれてきたエルヴィス像からはみ出すことを厭わない役者を求めていた。
コッポラはこう指摘する。
「プリシラ目線のエルヴィスですから、彼の人物像は完全に彼女の話を元にしています」
「エルヴィスのプライベートな部分、ステージの上とは違う、他の誰も目にしたことのない側面です。
この物語には、彼のパフォーマンスシーンはあまりありません。
この役で重要なのは、プリシラとふたりで家にいる時の姿や、彼女が目にした傷つきやすさ、疑念、弱さです」】
この通りの役を見事に演じている!僕は好きだなぁ。。。


【ソフィア・コッポラ監督からのコメント】(プレス資料から)
プリシラ・プレスリーの回想録を読み、彼女のグレースランドでの体験に心を動かされました。
私が表現したかったのは、エルヴィスの世界に飛びこみ、紆余曲折を経てやっと自身の人生を見つけたプリシラの心情です。
私はモノづくりを行う人間として、先入観ではなく、登場人物の目を通して世界を見せることに尽力しています。
アイデンティティや主体性、変容といったテーマには、常に関心を持ってきました。
この映画では、プリシラがいかにして今の彼女となったのか、そして彼女とその後の世代にとって、
女性であることがどのような意味を持つのかを紐解いていきます。
確かに、プリシラが置かれた環境は、とても壮大で一般人とはかけ離れたものです。
でもプリシラも多くの女性と同じように、色々な経験を積みながら大人になりました。
プリシラの人生は、類い稀であると同時に、私たちが深く共感できるものでもあります。



ということで
改めて
誠にしっかりした映画であります。

2024年4月12日 公開

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