「ブルックリンでオペラを」

映画『ブルックリンでオペラを』公式サイト|2024年4月5日(金)公開
https://movies.shochiku.co.jp/BrooklynOpera/

ハイカルチャーなラブコメディー
と、でもいうのでしょうか。

主演がアン・ハサウェイ、更にこの脚本にほれ込んで自身がプロデューサーも務める。

舞台はブルックリン、
スランプに落ち込むオペラ作曲家の夫が愛犬の散歩に出たことで始まる出会いと展開のストーリー。
ディズニー映画「101匹わんちゃん」の
舞台をロンドンからNYブルックリン、主要な役どころを売れない作曲家からのオペラ作曲家に変え
時間が現在になると、こういう物語に代わるんじゃないかな、とも、勝手に思えた。

物語は
2つの家族、夫婦
・・・といっても、これがまた今風なのか、それぞれ離婚を経て今は違う伴侶のもとで、それぞれが連れた高校生の子供がおり、
かたや
学歴コンプレックスのつまらない法廷書記官の父、いまだに市民権を得られない移民の母
かたや
アンが演じる、潔癖症気味で強くキリスト教を信じる精神科医の母、ピーター・ディンクレイジ演じるスランプに落ち込んでいるオペラ作曲家の父
そこにマリサ・トメイ演じるブルックリンの港を行きかうタグボートの船長
こうした途上人物が繰り出すラブコメディー。
そして
このストーリーの軸になるのが、オペラ作曲家がスランプを脱する出会いと、それを題材にしたそれら作品が舞台上で演じられるのだが
それが
ハイカルチャーなラブコメディー、と表したゆえんであります。
船長を演じたマリサ・トメイ、さすが、法廷コメディ「いとこのビニー」
いとこのビニー : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)
https://eiga.com/movie/42455/
で第65回アカデミー助演女優賞を受賞した実力がここにも。
すでに名優といえるアン・ハサウェイは、プロデューサーも務めたからか、
ちょっと肩に力が入り過ぎてないかな、とも、勝手に思ったが、
それほどこの作品に力を注ぎ込んだのだろう、きっと。

監督のレベッカ・ミラー数多くの作品を送り出している監督とのことだが
あの「セールスマンの死」他多くの名作で知られる劇作家アーサー・ミラーの娘という事はやはりお伝えしておきたい。
そうそう
音楽、というかエンディング音楽に
唐突にブルース・スプリングスティーンが登場するのがなんとも意外で、、、、
(Pとしてのアンが動いたんでは?などと邪推してしまった)

ところで、いつものようについつい、
この機にブルックリンについて調べてみた。
名前の由来は1600年代から入植を始めたオランダ人が、母国の地名Breuckelen(ブルーケレン)という名前を付けたことから。
地域の特徴は
かつてはハーレムやブロンクスと並ぶニューヨークのなかで治安が悪いとされるエリアとなっていた
(僕がこの時期によくNYに行ってたんだが、確かにこのイメージが強く足を運ばなかった、古い話です)

1990年代後半になるとギャラリーなどが続々とオープン、アートフェスティバルも開催されるようになり
エンターテインメント産業の場ともなり、今は新しいカルチャーやトレンドを生み出す注目エリア。

最後に。
本作も最近のハリウッドに良く見受けられる、
いろいろな点で多様性の存在を取り込んでいるんだろうな、という姿勢は分かる。
本来のストーリーや展開に無理感を出すまでいかないように・・・。


2024年4月5日 公開

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