「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」

映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』公式サイト|2024年6月7日(金)公開
https://movies.shochiku.co.jp/haroldfry/

このような作品を紹介できることをうれしく思います。
試写をしていて、つくづく。

そもそも僕はヨーロッパのおじいさん繰り広げる
ユーモアに満ちた心温まるヒューマンドラマが好きだ。
試写案内を見た時に
今までみたこの傾向の作品と
僕は勝手に(良い意味で)大きな勘違いをしていた。

本作に入る前にせっかくだから
ここでお勧めのヨーロッパのおじいさん系作品(このような言い方があるのかは微妙ですが)情報を。

「幸せなひとりぼっち」
幸せなひとりぼっち : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/85301/

「100歳の華麗なる冒険」
100歳の華麗なる冒険 : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/80614/

という
こうした秀作がすぐに頭に浮かぶ。
これらはこれで素晴らしい作品ですので
まだ見てない方は是非お勧めします。


さて、本題。
先に書いたように
本作は予想と全く違った。
『心温まるヒューマンドラマ』
であると事はその通りなんだが
この根底にあるのはユーモアではなく、
人間ドラマなんだ、哲学的とも人生の教示ともいいえる。

主役の老人ハロルド・フライのもとに、
かつての同僚の女性から手紙が届く。
彼女は余命いくばくもなくホスピスにいるという別れの手紙。
返事を書き、ポストへ投函と自宅を出た彼は唐突に思う、直接会って伝えたい、ある思いがある。
しかしホスピスの場所はハロルドが住むイギリスの南西の町から800キロも北にある、
そんな事実にお構いなく、彼はそのままなんの準備も無く手ぶらで歩き始める。
道々いろいろな人との出会う事により、いろいろな言葉が彼に降り注ぎ、
また
いろいろな場面が啓蒙とも言えるような姿で観る私たちに降り注ぐ。

「本能的なことって案外難しい・・・」
「必要なことは常識ではなく信じること・・・」

ただひたすら歩く、
その中には
スロバキアからの移民であるがゆえに掃除人の仕事しか得られない女医
薬に侵された若者
彼の一途に歩く姿が(今時の)SNSで拡散し大騒ぎする人たち
こうした要素が実に旨い要素となってストーリーは展開する、
そして
妻や息子との重大な事も次第に映し出されていき
彼は何故歩くのか、伝えたかった思いが・・・・。

原作は、世界37か国で刊行され、
累計発行部数600万部を誇るベストセラー小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」
英国文学界の最高峰の賞マン・ブッカー賞にノミネートされ、日本でも2014年の本屋大賞翻訳小説部門第2位に輝いた。

主人公ハロルドは、イギリスを代表するアカデミー賞俳優、ジム・ブロードベント。
どちらかというと
『ハリー・ポッター』シリーズの魔法使い役
ハリー・ポッターと謎のプリンス : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/53228/

『パディントン』シリーズおじいさん役
パディントン : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/81387/
というユーモラスな役でで広く知られるので
僕が先の勘違いをしたのも致し方ないかも。


妻役はペネロープ・ウィルトン
ジュディ・デンチ主演でヒットした『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』
マリーゴールド・ホテルで会いましょう : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/58238/
ケヴィン・クライン、デンゼル・ワシントン、出演でアパルトヘイトを題材にした名作
『遠い夜明け』
遠い夜明け : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/47177/
とその実績は輝かしい。

監督はへティ・マクドナルド
1962年、イギリス、ロンドン生まれ。
英国アカデミー賞を受賞している実力派で
名探偵ポワロ シリーズなど主にTVで活躍している。


スクリーンに広がるイギリスの南西から最北端までの800キロの美しい風景、
本国で新作映画初登場No.1の大ヒットを記録。


最後に:
本年
「極楽映画大賞作品賞」及び「極楽映画大賞主演男優賞」
ノミネート!

2024年6月7日 公開

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