「落下の解剖学」

映画『落下の解剖学』公式サイト
https://gaga.ne.jp/anatomy/

ミステリー小説と
裁判小説とを下地にした舞台演劇
というのだろうか、
僕にはそう感じた。
フランスの山中のロッジで起こった
転落事故?事件?
被害者で夫の妻が容疑者として逮捕され
現場の証人は視覚障がいのある11歳の息子だけ。
果たして、事件なのか、事故なのか、はたまた自殺なのか。
場面はほぼこの現場と、審理が行われる裁判所。
見ていて、あの名作
シドニー・ルメット監督
ヘンリー・フォンダ主演の「12人の怒れる男」
十二人の怒れる男 : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/15997/
を思い出した、、、ちょっと言い過ぎですな。
まっ、それはそれとして
本作のポイントは時代性なのか「国」だと僕は思う。
共に小説家であるドイツ人の妻、フランス人の夫
ドイツでの苦しい経験からイギリスにわたり夫と出会い
わけあって夫の国フランスの、しかも人里離れたロッジに移住する。
子供が生まれ、それだけの理由ではなく
家庭内での会話は英語という
なんともグローバルというか、、、、。
そして、妻の裁判ではフランス法廷で当然フランス語での審理。
妻は時々、英語での発言を求めたり。
審理の行方を楽しむのが本筋なのかもしれないが
僕はどうしてもこの、国籍、言語にかかわる伏線に(ではないかもしれないが)は惹かれてしまった。
そして
視覚に障がいのある息子がカギを握る、そこには「言葉」しかない。

監督はジュスティーヌ・トリエ
長編4作目である本作で
2023第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞したということだ。
主演はサンドラ・ヒュラー。
(すみません、二人とも知らなかったし、資料がなかなかなく、紹介に至りませんでした)

2023年2月22日 公開

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?