スープ割りを頼む勇気

よく一人でいくラーメン屋さんで、近くに座っている他のお客さんが、スープ割りを頼んでいる姿を何度か目撃していたのですが、それが一体なんであるのか、私は知りませんでした。

スープを割る、、、一体何のために、、、?

他のみんながどんどん頼んでいるのに、この年にしてそのスープ割とやらが何であるかを知らない気恥ずかしさ、、、。頼もうと思っても、それが何であるかわからず、なんとなく自分の気持ちをスルーしたこともう幾度も。
頼みたい、、、スープ割りを、、、。
そんな想いはつもりつつも、結局頼む勇気がなく、今日もまた、残り汁を、一人すする40代独身、、、。
今日こそはあの子に話しかけるぞ、と思いつつ、結局話かけられなかった、、、あの時のような想いが今日も繰り返される。

その日はラーメン屋の暖簾を潜った時から、何となくいつもと雰囲気が違った。いや、私自身の心持ちがいつもとは違ったというべきであろう。前向きであった。スープ割とやらを、、、そうだまずは調べてみよう、、、。そう思った。食券を購入後、店員さんに食券を渡す、、、。水はセルフサービスである。いつもならまず、水を汲みにいくところだが、しかし今日は違った。水は汲まずにさっそく席につき、スマホで検索したのである、、、。
スープ割りとは、「つけ麺を食べた後、つけ汁を飲むためにスープで割ってもらうこと」
Weblioははっきりとそう述べていた。ありがとうWeblio。
そして示唆してくれていたのだ。「今日こそ言おう。頼もう。頼んでもいいんだよ。スープ割りを。」

このラーメン屋は結構有名だ。冷凍品がふるさと納税の対象品になったりするくらいの有名度合いだ。味は、、、うまい。

トッピングで頼んだ海苔も、チャーシューも残り少なくなってきた。そうだ、麺とスープや具材たちとの冒険もいよいよ終わりに近づきつつあったのだった。そして、ついに麺が、具がなくなり、スープだけが器に残った時、私は店員さんに言ったのだ。
「スープ割りをお願いします。」

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