物語の向こう側

3.
2.
1.
...

世界に飛び込む時、その世界がどういうところなのかを考えながら向かう人と、何も気にせずに飛び込む人と2種類いるとしたら、去年までの僕は後者だったけど、今は前者だと思う。

コロナ禍になって3年目、気がついたら生活のスタイルもすっかり変わっていて、相変わらずモヤモヤした気持ちと同居しながらも、見ないふりをして日々を過ごしている。

一年前に
「コロナ禍が開けた時に、何もしてこなかった自分」
というのが残るのはとても嫌だったので、「映画を見る」というマイルールを作った。
お世辞にも映画を見てきたとは言えない。
こんなにカルチャーが好き、音楽が好きと言っていながらサントラだけ聴いて映画は見ないとか意味のわからないこともしていた。
「バックトゥーザフューチャー」や「ショーシャンク」のように、絶対に見るべき映画や、いつか見ようと思って一生見なかったであろう映画を週に3本程度で1年間見続けた。

最初は
この映画のあらすじを見て…ふむふむ、こんな話なんだな。じゃあみるか。
え、思ってたのと違う…けど見なきゃ…
と様々なあれこれを抱えながら見ていた。

映画は素晴らしい。
そんなことは前からわかっていたことだったけど、自分が思っていた数倍この世界は素晴らしかった。
一瞬でその世界に飛び込み、2時間のロマンス、アトラクション、もう一つの人生を味わせてくれる。
結果的にほぼ見なくてはいけない映画は見たと思う。
まだパリ、テキサスはみてないけど。。

冒頭に戻る。
あるところから自分が知っていていつか見なきゃと思っていた映画は見終わってしまった。
周りの人におすすめの映画はありますか?と聞き、出てきたタイトルをメモってすぐに見始める。
今までは事前に情報がある程度入っていたものが多い印象だった。それもそうだ。あまりにもな名作を見ていたのだから。壮大なネタバレサイトなどを見なくてもある程度の答えは事前に情報として持っていることが多かった。

最近は見るものの事前情報をほぼ入れずに「なんかこの映画はいいらしい」というのだけで飛び込むようにしている。タイトルと表紙(ポスター)、情報としてはほぼこれだけ。そうすると最初の5分間は内容の把握という物語に入れない時間が必ず生まれてしまうが、そこを過ぎたら今まで以上の没入感で映画の世界に落ちていくことが多い。

どちらが正解とかbetterとかの話で片付けてはいけないと思うが、たくさん見てきた結果何も事前情報を知らずに見る方が満足度は高い気がしている。語弊を恐れずに言えばだが、所謂ハズレも多くはなってしまってはいるが…

スティーヴン・キングは文学こそが最上のものというコメントもあるが、カルチャーの最上位に「映画」という存在があると僕は思っている。映像と音。静止画の集まりである動画。どれをとっても一級品であらねばならない。

さて、今日は何を見よう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?