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ドラゴンシェフで作った「フードロス食材を主役にした料理」の話

テーマは、フードロス。

食材は、パンの耳、キャベツの芯、鯛のアラの三つだ。組み合わせは自由で、一つしか使わなくてもOK。

ここ最近よく耳にする言葉ですが、、、

僕は、この言葉に、すごく違和感を感じます。

普段捨ててる端材を捨てないことが、フードロスではないと思うからです。

食べられるのに捨てられるもの、見た目が悪いから捨てられるもの、市場の都合で捨てられるもの。

それらをフードロスと呼び、社会問題になっています。

なので、今回のような普段捨ててしまう食材を使うことは、正確にはアップサイクルっていう方が正しいと思うんだよね。

ただ、ドラゴンシェフというコンテンツをとおして、多くの人がフードロスに興味を持つ契機になるという意味では、非常に有意義で、かつ明快でわかりやすい企画で、制作の方々のセンスが光っている。

今までのテーマで一番好きなお題の形式です。

ちなみに、テーマと評価の課題は以下のとおりだ。

テーマ:フードロス食材を主役にした料理作れ。
評価のポイント:捨てられるはずの食材を主役にし、且つレストランレベルの料理に昇華できているか?

コレを見てもわかるように、アップサイクルの極みを求められている。というのが、僕の見解だ。

料理名は「パンのスープ」

せっかく用意してくれた3種の食材なので、全部使ってレストランクオリティの料理しようと思います。

レストランクオリティで、且つ硬くなったパンを使ったアップサイクルな料理は、実は世界中にすでに存在している。

フレンチの巨匠、ミシェル・ブラス氏、そして、パリは16区の「アストランス」のオーナーシェフのパスカル・バルボ氏などの、パンでスープを作るレシピは有名だ。

イタリアンにも、リボッリータという、硬くなったパンを煮込んでスープにするというアップサイクルな料理がある。

そういうわけで、僕もパンを使ったスープを作ろうと思う。

【材料】
パンの耳 100g
牛乳 300cc
バター 40g
出汁 480cc
<出汁>
鯛のアラとクズ野菜の出汁 500cc
キャベツの外葉 100g
鯛のアラ 200g
ローリエ 1枚
ニンニク 1片
白胡椒 少々
塩 少々
<浮き具>
鯛の身 適量
片栗粉 適量
レモン 少々

【作り方】
1. パンを200度のオーブンで濃いめに色づくまでローストする。

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パンの香りは、こんがり焼いた時に起こる反応でより多く、複雑に香る。また、この後の工程で粉砕するため、水分を飛ばす狙いもあります。

そして、パンの耳はブレンダーで粉状にしておく。

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2. 鯛のアラは、流水でよく洗い、霜降りする。
こうすることで臭みの原因のヌメりを除きます。

そのあと、フライパンで皮目に焼き色をつけます。焼くことで、香ばしさとダメ押しの臭み消しを行うわけです。

キャベツの外皮も同じく焼き目をつける。これは、焼いたキャベツ特有の甘い香りを引き出すためだ。そのあと、鍋に一緒にし、水を張って弱火で5分ほどゆっくり煮出す。

後工程で使うため、出汁を引き終わった鯛のアラから身を取れるところを見つけて、身を少量こそぎ取っておく。

3. 牛乳、バター、出汁、パンの耳をミキサーに入れて、1分程度攪拌し、鍋に戻して弱火で沸騰直前まで加熱する。

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このタイミングでとろみの確認をする。すこしもったりするくらいがおすすめです。

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提供直前まで、密閉ボトルに入れて保温する。

5. 鯛のアラから取り出した身を賽の目に切って、塩をしてレモンでもみ、片栗粉をまぶして、多めの油をひいたフライパンで、カリカリになるまで焼く。

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レモンの酸味、カリカリの食感と、パンのスープが合わさると、クルトンのようになるのを狙っている。

6. 器にスープを注いで、浮き具を浮かべる。
サービス直前に、盛り付けするのが理想。

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食べ始めは、鯛の身で作ったクルトンと相まって、パンのニュアンスが強いんですが、後味はしっかり鯛の旨味が広がる設計になっています。

世界中にあるパンのスープですが、オリジナリティを出せたと思います。

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