見出し画像

役者という役割の遂行 断片日記2021/12/23

  • 17:39 舞台に立つ役者の基本的な役割は、「稽古期間内に与えられた役の動作とタイミングを記憶し、本番でもそれを遂行する」だと思うんだけど、これがシンプルに難しい。演技の巧拙とかを改善する前に、まずはここをどうにかしないと話にならない。台詞を覚えるのは1人でもできるんだけど、他の人との関係性を見ながらタイミング良く出てきたり発声したりするのは、実際に稽古場でやってみないと分からないことも多い。そして分かったとしても人類はその分かったことをすぐ忘れてしまうので、忘れないくらいに何度もタイミングを合わせる機会がないと、本番でミスなく役割を遂行することが難しい。

  • 17:43 実は、役者として舞台全体の流れを把握しておくことは難しいと思っている。台本は全部読んでいるけれど、実際にその舞台を客観的に見たことはないから、自分がいまどういうシーンをやっているのかというのは、完全に把握できていない。というわけで、自分がどういう風に舞台の中で位置づけられているのかは、今のところ演出家の判断に任せることにしている。自分は、とにかく与えられた役割を遂行する装置になる。

  • 17:45 いま稽古をしている舞台の中で僕に与えられたシーンはぜんぶで10個あり、まずはそれぞれを完全に遂行できるように覚える。その次に、そのシーンに入るためのきっかけを覚える。実は、このきっかけを覚えるというやつが難しい。本当は通し稽古を何回もして覚えられると最高なんだけど、それはできないので、自分の出る直前のシーンを紐付けて覚えることにしている。だから僕は、10個のきっかけを暗記して、本番ではそれを取り出しながら役者としての役割を遂行することになる。

  • 17:49 みたいなことを考えており、本番まであと2日しかないんだけど、その中で何に注力すれば本番でミスを少なくできるんだろうかということを考えている。家にいる間にとにかく台本を読みまくるとかも考えたんだけど、それだと効率が悪いので。今は、主に2つのことをやっている。①自分に与えられたシーンを家の中でやってみて、分からないところを明確化する(稽古場でその不明点を解消するため)②10個のシーンをきっかけと共に並べ、それを諳んじることができるようにする。

  • 17:51 役者として記憶するべきことは「台詞」がそのほとんどを占めるけれど、「演出指示」(=どういう動きや表情や声色なのか)、「演技に入るきっかけ」も大事っぽい。逆に言うと、この3点を抑えてしっかりメモして記憶すれば、役者としての役割を遂行するには事足りるということ。

  • 17:53 もちろん、上記ができるようになった上では、役者の方から創意工夫をする余地も出てくるんだと思う。でも今は、とにかく暗記して役割遂行……。

  • 18:44 漫然と稽古をしていると「あれもこれもやらないといけなくて、大変〜〜〜!」となりがちだけど、入りのきっかけとやることを1枚の紙にまとめてみたら、「なんだこれだけやれば終わりか」と気が楽になってきた。

サポートすると、僕がハートランドビールを飲み、これからも自我を保つのに役立てさせていただきます!