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【ニブセキの息子】付き添い入院のしんどさ

以前にも書いた通り、息子2歳はもうすぐ手術のため入院する。長期入院は1年ぶりとなる。

息子にメスが入れられるわけで、そりゃ、息子は大変だろうけど、わたしがある意味、一番心配しているのは、それに付き添わなければならない妻のことだ。

病院によっては、付き添いをしてはいけないところもあるそうだが、私たちの場合は、しなければならない。一か月以上もの間、ほかの親子もいる中で病院に居続けなければならない心労は、察するに余りある。

本来ならば妻に直接、書いてもらいたいほどだが、聞いた限りのことを書きたい。

① 同じ空間で気を遣わなければならない

術後すぐでなければ、基本的にはほかの親子と同部屋で日々を過ごすことになる。こちらもいつ息子が泣くか分からないし、お隣さんの子どもも同じだ。せっかく寝付いたと思ったらお隣さんが泣き出して、それにつられて泣いちゃって…というのは、悲しい「あるある」らしい。ベッドは妻用の小さいものを借りることができるが、そんな環境では深い睡眠は期待できない。

それに、子どもたちはみんな、それぞれ理由があって入院している。ママ友を作ろうにも、簡単に立ち入って話を聞くことは難しいし、同部屋だからといって簡単にコミュニケーションができるわけではない。そういうのを望まない人たちもいるだろう。

② 父母は同時にいられない

このご時世、家族が病棟に入ることに対し、病院もナーバスになっている。息子の病院の場合、病棟に入れるのはひと家族一人。長くいれば、積もる話も出てくると思うが、複数人入るのは原則ダメ。私と妻が交代するタイミングで話す、くらいのことしかできない。仕方のないことではあるけれども…なかなかつらいものがある。あと、当たり前だが、病棟内はずっとマスク。これもなかなかつらいと思う。

③ 父親が泊まるには難しいハードルがある

前回の入院のときは、私が休みのときに半日交代するとかしてしのいだ。今回もそうしようと思っている。可能ならば一泊して、妻にはその間だけでも家で過ごしてほしいと思う。ふだん、寝かしつけは妻がしてくれるが、このさい、なんとかするしかないでしょう。そう思うのだが、それには低くないハードルがある。

 ⑴ 母子が寝たり授乳したりする同じ部屋で私が寝てもいいのか

 ⑵ 付き添い用のシャワーが女性専用になっていること

ひとつめの問題は、私はまったく気にならないが、世の中のお母さんたちはどうなんだろうか。思いを寄せれば寄せるほど、やめたほうがいいんじゃないかと思ってしまう。ルールとは別の意味で。ふたつめの問題は、悲しい話だ。これはつまり、この設備を使うような人たちはほぼ女性であり、男性は、付き添わないんだから使う必要がないでしょう?と言われている感じだ。事実、妻は男性が付き添い入院しているところを見たことがないという。私も含めて…。これに関しては、宿泊日の午前中に自宅でシャワーを浴び、帰宅日の夜にまた自宅でシャワーを浴びることで解決しようと思っている。

④ 食事の準備がストレス

息子の食事やおやつは、栄養士さんたちが考えた献立が並ぶが、妻の食事は自分で用意しなければならない。病院によっては実費で付き添い分も出してくれるところがあるみたいだが、息子の病院はそうではない。義父母や私が差し入れをするときはいいが、そうでないときは売店でパンや弁当を買うしかない。一か月もいれば、飽きてしまうだろう。レンチンではない、温かなものも食べたくなると思う。これについては妻は「息子と同じものでいいから出してほしい」と話している。

食事を差し入れるにしても、におうものはなるべく避けたい。以前、どうしても食べたいと、ケンタッキーを差し入れて一緒に病室で食べたことがあるが、あのにおいが充満してしまい、迷惑をかけてしまった。迷惑だと言われたわけではないし、看護師さんに注意されたわけでもないが、私たちは恥ずかしくなってしまい、カーテンで隠して急いでムシャムシャしたのだった。

⑤ 息子を外に連れていけない

当たり前のことだが、退院までは息子を外に連れ出すことができない。今回の入院は、けっこうこれがしんどいことになるんじゃないかと思う。

この一年間で、息子の興味関心は広がった。「こうえん、いく」「くるま、ブンブン」「あるく」などなど、やりたいことを具体的に言葉で伝えることができるようになった。しかし、入院中は公園にも行けないし、車にも乗れない。息子の場合、おもちゃで満足せずに本物に乗らないと気が済まないので、どうしたものか…。で、入院中はその息子の不満を妻が受け止めなければならない。


などなど。けれど、私たち以上に長期の入院に付き添う親御さんたちがたくさんいる。本当に頭が下がる。最近、Eテレのすくすく子育てでちょうど付き添い入院の話をやっていたが、まったくその通りで共感の嵐だった。当然、子どもが優先なのだが、同じ日々を親も過ごし、時間も心も消費していく。最初はよくても、じわじわとしんどくなるのは、よーく分かる。

病院になんとかしてもらいたいというよりは、こういう苦労があるということを、同じ立場にいると想像し、知ってほしいという感じかな。

長期入院を支援する団体もあるみたいだが、入院期間が計画として決まっていないと支援を受けることが難しそうだ。実際、息子の場合は一か月から1か月半くらいと言われているが、書面で計画を示されているわけではないので、対外的に示せるものがない。なかなか難しい。


結局、夫としてできるのは、優しい言葉をかけることでもたくさん差し入れをすることでもなく、妻が息抜きできる物理的な時間をなるべく長く確保できるように、バトンタッチをすることではないだろうか。それがかなうように心がけたい。

=画像は前回の手術入院時。こうしてみるとすごく重大な感じに見えるし、これからする手術も大事なのだが、息子は日々、元気で活力いっぱい。不思議な感じだ。


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