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なぜ泉にコインを投げ込んでしまうのか

名古屋で死んだワニの胃から会話が330枚以上出てきたというニュースがありました。

「どうしてコインが?」と不思議に思うかもしれませんが,人々が投げ込んだコインをワニがそれだけ飲み込んだということのようです。

コインを投げる

観光地に行くと不思議な現象の一つが,なぜか人々は泉のような水がたまっている場所にコインを投げ入れてしまうということです。

投げ入れる瞬間を目撃したことはそれほどないように思うのですが,水の底にコインがたまっている様子はよく見かけます。

これは日本だけの現象ではないのです。海外の観光地で水がたまっているようなところでも,よくコインが沈んでいる様子を見かけます。

不思議ですよね。世界中の人が,なぜか水がたまっている場所を見かけるとコインを投げたくなってしまうようなのです。世界中の人が集まる京都の神社なんて,賽銭箱でもない置かれているだけのお茶碗にもコインがたまっています。

うちの前にも茶碗を置いておいたら,お金が投げ入れられるんじゃないかと思ってしまうほどです。

まあ,それで儲けるのは無理でしょうけれども。でももしかしたら,研究してみると法則がわかるかもしれません。

コインを投げる理由

人間が行うことであれば何でも研究にするというのが心理学という学問です。

とはいえ,さすがにコインを投げる現象そのものを扱った論文は見つかりませんでした。残念ですが,そのうち誰かやるでしょうから時間の問題かもしれません。

ただ,海外の記事は見つけましたのでその中に書かれていた心理的な仮説を紹介してみたいと思います。

畏敬・畏怖の念

心理学で”awe”という感情が研究されています。畏怖の念とか畏敬の念とか,そんな訳語でしょうか。

雄大な自然とか満天の星空とか,あるいは偉大な人物とか,そういった大きな広がりを持ったものを前にしたときに感じるものです。なかなか言い表しにくい感情ではありますが,たしかにありますよね。

そして,自然を前にしてそのような感情を抱くことが,「何かが起こるかもしれない」という魔術的思考を呼び起こしてコイン投げをしてしまう,という可能性です。果たしてどうでしょうか。

対人関係では尊敬関連感情のひとつとして扱われていますので,項目の内容を見てみると良いかもしれません。

人間関係

次の仮説は,コインも水も人と人をつなぐものなので,水の中にコインを投げ入れることで人と人とがつながっているような感覚を呼び起こすのではないかというものです。

最初は「ん?」と思ったのですが,実際にコインが投げ入れられていますので「他の人と同じことをしている」と思うことは,つながりの感覚を呼び起こすかもしれないなと,少し思い直しました。

さて,どうでしょうね。

向社会的行動

コインを投げ入れる行為というのは,向社会的行動なのでしょうか。

誰がそのコインを回収するかもよくわかりませんので,コインを投げるというのは誰かのためになる行為というわけでもありませんし,むしろ最初のワニの記事のように生態系に良くない影響をもたらしてしまうかもしれません。

でも,なんとなく,お金ですし「この場所にとっての誰かに役立つかもしれない」という感覚で投げる場合もあるのかな,とも思いました。お賽銭を投げるような感覚でしょうか。

文化や性格の違い

文化の違いは当然ありえることですよね。

たとえばイギリスには,あまりに多くの人がコインを差し込むのでとんでもなく不気味な姿になってしまった木があるそうです。その土地でそれをすることで運を呼び込むとか幸せになる,と信じられていることはたくさんありそうです。

なお,トライポフォビア(蓮コラ画像恐怖)の人は見ないでください......!

そして,どんな人がコインを投げ込みやすいのかについても,一度調べていたいですね。

ちなみに私は......一度も投げ込んだことはありませんので,いつも投げ込む人は,きっと私とは正反対の性格の人だろうなあと想像してしまいました......。

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