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ポケベル終了

1968年に始まったポケベルのサービスですが,とうとう終了するというニュースが流れていました。

記事には,ポケベルと若者文化の関係についても書かれています。

ポケベルに数字で一方向のメッセージ通信ができる機能が備わった時に、東京・渋谷の「チーマー」と呼ばれる若者たちが語呂合わせを使って双方向のコミュニケーションを始めたことが、のちに携帯電話にメール機能が搭載されるきっかけになったと考えられているという。

ここに書かれているように,ポケベルが広まらなければ携帯電話にメッセージ機能が取り入れられなかった可能性があるとのことです。

ということは,のちに世界中に広がる絵文字も今のようにならなかったかもしれない,ということでしょうか。

今や「emoji」はすっかり英単語として定着しています。しかも,多くの人は「emoji」が日本語から来ているということすら知らない,というくらい浸透しています。「最近日本語が世界中に広まっていまして,emojiというのですが」という話題を海外の人に何度か言ったことがあります。

そういえば絵文字の映画まで作られています。この映画は,去年特別研究休暇でホノルルに滞在していた時に,子どもと行った映画館で予告編が流れていたのを見たので印象に残っています。

ポケベルで印象に残っているのは,女子高生たちが長蛇の列を作っていたことです。その列の先頭にあるのは,公衆電話です。公衆電話から相手のポケベルにメッセージを入れるのですね。いまの時代に考えると,ちょっと異様な光景に思えます。ほんの一時期,数年だけ,そういう光景をよく見ました。

今では,公衆電話を探すのに苦労するくらい,公衆電話は少なくなっています。いざというときに使えるように,使い方を教えておく必要があるかもしれません。

お金は受話器を取る前?取ったあと?テレフォンカードはどこにどのタイミングで入れる?などなど。

ポケベルは,時代の変化の中で青年たちがどう過ごしていたのか,という青年期発達の授業の中でよく話題にします。今では想像できないような行動をしていたのですが当時はそれが当然でした。そして、ポケベルを持ちたいという気持ちの原因は、今の中高生とほとんど変わらないと思うのです。

そうそう,それはこの本の一節でした。

もう随分以前の本なのですが,むしろデバイスが変わっても基本は変わらないということもよく分かるように思います。デバイスが変わればもちろん表面的な行動パターンは変わるのですが,「ポケベルをもちたい」と「スマホをもちたい」の理由は,当時も今もそれほど変わりはないのかもしれません。

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