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そういうことか!と思った瞬間

以前,「完璧主義」と書くのか「完全主義」と書くのかという問題について,記事を書いたことがあります。心理学の論文では明らかに「完全主義」が多いにもかかわらず,一般的には「完璧主義」と書くことがとても多いという内容の記事です。

Wikipediaも

Wikipediaの項目も完全主義ではなく「完璧主義」ですからね。

どうして論文で「完全主義」と書くかというと,「完璧」は「完全ですばらしく,優れている状態」である一方で,完全主義は必ずしも良い状態ではないからではないかな,と思っています。

完全主義は抑うつなどの心理的な問題にもつながりやすい特性です。このように完全主義は望ましくない面を含む特性ですので,「完璧」という言葉の意味とは逆になってしまいます。私自身,「完全主義」を使うようにしています。

感想から

今回,このことに関連して,そういうことかと気づいたことがあったので(たいしたことではないのですが),それを書いておこうと思いました。

それは,とある授業の中での学生の感想で書かれていたことです。

そこには,次のように書かれていました。

◎「完璧主義」というと,鉄壁のように隙がなく,堅苦しい印象があります。

これを読んだ時,「そういうことか」と思ったのでした。

「完璧」が「鉄壁なイメージ」ということは,「ぺき」の語感で「完璧主義」のほうが「完全」な感じがするので,こちらを使う傾向があるということなのでしょうね。

壁と璧

でも……「完璧」の「璧」は,「壁」ではなく「」です。「壁」と「璧」は違う漢字で,「壁」はかべですが,「璧」は「丸い形をした傷ひとつない美しい宝石」のことです。

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私自身,学校で「璧」は「壁」じゃないから間違えるなよ!と教えられたものです。皆さんはいかがでしょうか。

語感のイメージがここに関与しているのかもしれないのか,ということが新たな発見でした(どうでもいいことかもしれませんが……)。

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