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眼圧検査に飛び上がる人

以前,コンタクトレンズの話を書いたことがありますが,今回も目について書いてみようと思います。

毎年,人間ドックを受けるのですが,苦手な検査があります。胃カメラは本当に苦手で,そのことを考えるだけで胃の調子が悪くなりそうなほどです。

そしてもうひとつ,苦手な検査が眼圧検査です。

目の検査

健康診断ではいくつかの目の検査を行います。視力検査に眼底の検査,そして眼圧検査です。私もそうなのですが,眼圧検査が苦手な人というのはけっこういるようです。

ただ,眼圧は緑内障の可能性を検査するものですので,とても重要です。緑内障は失明の危険性を高めますからね。年齢を重ねてくると,やはり気をつけないといけません。

生得的な原始反射

目に刺激がある時に自動的にまぶたを閉じるのは,眼瞼反射と呼ばれる生まれながらの自動的な反応です。赤ちゃんはこういった自動的な反射を身につけて生まれてくることで,生存率を高めていると考えることもできます。

自分の子どもが生まれた時にもあれこれ試したことがあります。

頭をもって体を後ろに倒すとバンザイするような格好をするモロー反射とか,脇の下に手を入れて持ち上げて足を地面につけると歩くように足を動かす歩行反射とか,頬に指をつけるとそっちの方を向く探索反射とか,唇についたものをくわえて吸おうとする吸啜反射とか,手のひらにものを当てるとつかむ把握反射とか,足の裏をなでると指が開くバビンスキー反射とか......。残念ながらこういう反射は生まれて1〜2年もすると消えてしまうものですので,もううちの子で確かめることができないのは少し寂しい気もします。

そして,こういった反射の中には,大人になっても残るものがあります。まぶたを閉じる眼瞼反射や大きな音に驚いてしまう驚愕反射とか,口にものを入れると唾液が出てくる唾液反射とか。

飛び上がる人々

これもよく知られたことですが,19世紀のアメリカ,カナダとの境のメイン州にいた,ちょっと変わった反応をする木こりたちの話があります。1878年に神経科学者のGeorge Beardが報告したことで,知られるようになりました。

理由はよくわからないのですが,彼らはちょっとした刺激で飛び上がるような行動を示したということです。そういう姿から,「Jumping Frenchmen of Maine」と名づけられています。フランス系カナダ人たちの木こり集団だったのでFrenchmenとなっています。

またこの人たちは刺激に強い反応を示すだけでなく,どんな命令に対しても従順に従ったり,誰かの話を聞いた時にそのまま繰り返したりする,変わった行動も見られたそうです。

どうも実際にはそんなにピョンピョンと飛び上がっていたわけではないようなのですが,いまでも刺激に対する強い反応の例としてよく取り上げられています。

馴化

通常,何度も刺激を受ければそれに慣れていくものです。心理学では馴化という言葉を使います。何度も眼圧検査を受ければ,きっと刺激に慣れるはずです......慣れるまで受ける機会は,そうそうなさそうですが......。

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