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基本性格特性セット

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ビッグ・ファイブ・パーソナリティやダーク・トライアドなど,多くの研究のキーとなる性格特性を説明した記事を集めました。人間の性格特性の基本次元を知ることができます。記事は随時追加さ…
他の記事に出てくる用語を押さえるための,基礎知識セットです。人間の性格特性の基本次元を知ることがで…
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2021年11月の記事一覧

自己効力感と性格

自己効力感ということばを聞いたことはあるでしょうか。 自己効力感というのは,自分自身がある場面でそこに必要な行動をうまくすることができると,自分自身で認識する傾向のことです。言い換えると「自分はここでうまくやれるはず」と思う傾向のことです。よく聞く言葉で言えば「やればできる」でしょうか。 自己効力感が高いと「高いと色色といいことがあるよ」という心理特性はさまざまあるのですが,自己効力感もそのひとつです。 ◎精神的健康の良好さ ◎身体的健康の良好さ ◎幸福感の高さ ◎学業

基本的な感情とパーソナリティの関連

アメリカの神経科学者ヤーク・パンクセップ(Jaak Panksepp)は,感情(情動)の神経プロセスを研究する(していた)研究者です。 パンクセップは,7つの基本的な感情(一次的感情)を想定しています。これらは人間だけでなく,哺乳類にも共通した部分があると考えられています。表現の仕方はいくつかあるみたいですけれども……。 ◎SEEKING:探し求めること(ワクワクする気持ち) ◎LUST:渇望すること(性欲) ◎CARE:慈しむこと(世話をする) ◎PLAY:楽しむこと(

世の中に左利きはどれくらいいるのか

世の中に左利きの人って,どれくらい存在しているのでしょうか。ぱっと思い浮かぶ人だけでも結構いますので,そんなに珍しいというわけではないのですが……。 予想してみましょうか。 A. 5% B. 10% C. 15% D. 20% どうでしょうか。右利きが多いのは間違いはないのですが,問題はどれくらいの比率なのか,ですよね。 左利きとはとはいえ,左利きとは何かというのもなかなか難しい問題です。Wikipediaには「一般的に人間の利き手が左であること、またはそのような人の

性格を統合するひとつの因子

2021年の日本パーソナリティ心理学会第30回大会では,「パーソナリティの一般因子(General Factor of Personality; GFP)」の国際講演が行われました。講演いただいたのは,オランダのエラスムス大学のリンデン先生(Dimitri van der Linden)です。 GFPというのは,人間のパーソナリティ特性(性格特性)が,全体としてひとつにまとまるという統計的な現象であり,近年ではそこに積極的な意味をもたせていこうとする立場です。 GFPの高

「性格が◯歳で完成する」という時に考えるべきいろいろな安定性

「○歳で性格は完成する」という言葉はよく耳にするのではないでしょうか。 では,「どういう状態になったら性格が完成すると言えるのか」と質問したら,どう答えるでしょうか。ここでは,心理的な特徴が時間とともに安定するとはどういうことなのかを考える必要があります。 得点を考えるまず大前提なのですが,性格(パーソナリティ)をタイプ(類型)ではなく,特性(次元)で考えます。いわば,モノサシや数直線のようなもので,高い得点から低い得点まで,人々が並んでいくイメージです。学力テストの得点