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日々是好日・心理学ノート

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#パーソナリティ

ナルシストが多い地域ほど健康的?

ナルシシズム(自己愛)は,虚栄心や誇大な自己評価を伴うパーソナリティ特性です。特権意識もつよく,周囲の人が自分に対して特別扱いをするのが当然だと考える傾向もあります。 良い面はでは,ナルシシズムに良い面はないのでしょうか。 自信に満ちあふれていることは,必ずしも悪いことではないように思います。自己嫌悪的で自分に自信がない状態よりも,自分自身がある方が健康的に思えます。ナルシシズムの高さは野心の強さにも関連しますが,これも悪いというわけではありません。課題を達成しようとした

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ボーダーラインの特徴

パーソナリティ障害(近年ではパーソナリティ症)のひとつに,ボーダーライン(境界性)パーソナリティ障害があります。 もともとどうしてボーダーラインという名前になったのかというと,精神疾患を躁うつ病や統合失調症などの重篤な精神病と,より軽い神経症と分けて捉えていたという歴史を背景にしています。症状が軽くもなく重くもない,ボーダーラインという位置にあるということです。その後,ボーダーラインはパーソナリティ障害の一形態として位置づけられていきました。 今回は,とある記事を参考にし

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犬の性格は安定しているのか

人間以外の動物のパーソナリティの研究についても,これまでに紹介してきました。 人間のパーソナリティは,感情や思考や行動の一貫したパターンのことを指します。人間以外の動物では,感情や行動はみられるかもしれませんが,思考についてはよく分からない部分も多いのではないでしょうか。しかし,観察者が評価したり,さまざまな課題を行ったりすることで,動物のパーソナリティも操作的に提起されています。 行動間の関連動物のパーソナリティは,動物がさまざまな行動をする際にその個体差を測定して,関

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ダークな性格の脆弱な側面

カナダの心理学者ポールハスが共同研究者のウィリアムスとともに,マキャベリアニズム,ナルシシズム,サイコパシーに共通する要素があり,これらをダーク・トライアドと名づけた論文を公表したのは2002年のことです。それからすでに,20年以上が経過しています。 共通要素ダーク・トライアドのそれぞれのパーソナリティ特性は,それぞれ起源が異なり,独自の研究の系譜をもっています。しかし,そこには感情的な冷淡さ,他者を操作する傾向,自分をよく見せようとする自己顕示欲,他者を攻撃する傾向など,

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心理学の中でパーソナリティ分野が複数分野の橋渡しをしている

心理学がいつ成立したのかには諸説あるかと思うのですが,ひとつは19世紀後半と言えるのではないでしょうか。そして,ある学問が成立すると,次々とそのなかで枝分かれしていくものなのですが,心理学でも同じように,発達心理学や社会心理学や学習心理学や認知心理学と,細分化されていきました。 すると,同じ心理学の中でも交流が少なくなっていく,という現象が生じます。 プロフィールGoogleの学問向けプラットフォームであるGoogle Scholar(グーグル・スカラー)には,研究者のプ

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肥満改善をしようとするときに関連する性格

1980年から2015年にかけて,世界で年齢にかかわらず,肥満になっている人の割合が7%から12.5%へと増加しているそうです。肥満は世界中で社会的な問題となっていることから,集団レベルでの介入はあれこれと試みられています。しかし,個々人で置かれている状況がさまざまであることから,先進諸国あるいは先進諸国になってくる国々の肥満率は増加傾向にあります。 肥満に関連する性格特定のパーソナリティ傾向が肥満や体重に関連することが,これまでにも報告されてきています。 より具体的な行

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スキルは性格よりも学業成績に関連するか

これまでの研究から,パーソナリティ特性は仕事のパフォーマンス,長寿,主観的幸福感など,人生における重要なさまざまな結果と関連することが報告されています。 勉強の領域では,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの開放性は高校生が受験する大学の共通テストの結果を予測することが報告されていますし,勤勉性と開放性は小学校から大学までの学業成績に関連することも報告されています。 スキルパーソナリティとスキルという概念を比較すると,どのような点が異なるのでしょうか。ひとつの観点は,可変性で

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ボーダーラインは何歳くらいで問題になるのか

境界性パーソナリティ障害(パーソナリティ症,ボーダーライン・パーソナリティ症)は,パーソナリティの病理の中でも中心的な位置を占めるものです。問題も生じさせやすく,重篤な問題にもつながりやすい症状です。 ボーダーライン境界性パーソナリティ症の特徴は,次のようなものとなります。 ◎見捨てられるのではないかという恐れ ◎不安定な人間関係 ◎自己イメージの不安定さ ◎衝動的な行動 ◎自傷行為・自殺企図 ◎気分の変動の大きさ ◎慢性的な虚無感 ◎爆発的な怒り ◎ストレス下での疑心暗

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ついぼーっとしてしまう背景要因

マインドワンダリングは,目の前で行っている課題(授業や仕事など)から注意がそれて,あれこれと他のことを考えてしまう状態のことを指します。心理学で研究されるときには,質問紙で測定されるのですが,これは普段の生活の中でマインドワンダリングの状態にどれくらい陥りやすいかの個人差を把握することを試みています。 マインドワンダリングマインドワンダリングの定義を言い換えると,外的環境の出来事から内的な自己生成的な思考へと移行することを指しており,内的な思考や感情に注意が集中することを意

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パーソナリティを考えるときにありがちなポイント

パーソナリティ(性格)について,次のような表現をよく用いることがあります。 ◎「パーソナリティはビッグ・ファイブで評価された」 ◎「参加者はビッグ・ファイブを用いて自分のパーソナリティを評価した」 ◎「ビッグ・ファイブ・パーソナリティは時間とともに変化した」 ◎「パーソナリティの遺伝的基盤が検討された」 ◎「能力がビッグ・ファイブ・パーソナリティと関連していた」 こういった表現に,何か問題はないのでしょうか。今回はこの問題について書かれた記事を参考にしながら,考えていきた

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基本的な欲求と性格との関連

動機づけについての幅広い理論である自己決定理論では,3つの基本的な欲求が想定されています。 ◎自律性の欲求:ほかの人にコントロールされることなく,自分の内面から生じる行動 ◎有能性の欲求:自分の能力を発揮し,拡大し,表現する経験を通じて,自分の行動の効果性を感じること ◎関係性の欲求:他者とのなかでつながりの感覚や集団への帰属感を抱くこと 自己決定理論の中では,これらの基本的な心理的欲求はすべての人間に普遍的であり,心理的な幸福やウェルビーイングにとって不可欠だとされてい

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ダークな性格の中心地のさらなる探索

ダークなパーソナリティの研究が本格的にはじまってから,20年以上が経過しています。多くの研究者がダークなパーソナリティについて研究をおこなっていますが,その核心にあるものについては,議論の的となっています。 核心たちダークなパーソナリティの核心については,いくつかの説があります。 ◎協調性:人間の性格全体を5つの特性で表現するビッグ・ファイブ・パーソナリティの特性のひとつで,ダークなパーソナリティはおおよそ,協調性の低さを特徴とします。 ◎正直さ・謙虚さ:人間の性格全

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似たもの同士の友人関係満足度は高いのか

「友人」というのは広い概念です。多くの人々の社会的なネットワークの重要な部分を広く占めているのが「友人」という存在です。 友人関係のネットワークが良好であることは,精神的健康,自尊感情,心身の適応状態,生活満足度など多くのメリットをもたらすとされています。 性格との関連友人関係や友情関係とパーソナリティ(性格)との関連は,古くから検討されています。友人の人数や友人関係の質(良い関係・悪い関係)は,特定のパーソナリティ特性と関係することが昔から報告されています。 また,パ

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ダークな人物の職務遂行能力

パーソナリティ(性格)特性と,仕事の遂行能力とのあいだの関連については,これまでにも数多くの研究が行われてきています。そして,比較的頑健で明確な関連も報告されています。 それは,ビッグ・ファイブ・パーソナリティのなかの勤勉性(誠実性)の高さと神経症傾向(情緒不安定性)の低さが,全体的な職務遂行能力や結果に関連するというものです。 ダークな性格職業場面でのダークなパーソナリティの研究も増加しています。 ◎マキャベリアニズム:他者を自分の利益のために利用する ◎ナルシシズム

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