月影

電気の影よりも 太陽の影よりも
なぜか綺麗な月の影
満月のそばに いられるから
影が見えてる くっきり影

私は こんなにハッキリしてない
私は あっちの電気の影
でも おかしいよ
影の頭は あっちの電気へ

右手を上げれば 左手が上がる
左手を伸ばせば 右手が伸びる
両足で跳ねれば 前に進む
進んだと思ったら また戻ってきた


どこから光が 差し込んでるのか
わからないから不思議なの
三日月の日も 会いたいよ
私の影は ひとつもない

私は きっと喰われたんだ
私が 心の底で怖がってる彼奴(あいつ)
でも おかしいよ
彼奴は私 私は彼奴

宙を見たなら あざけ笑う
地を見たならば 嘘があふれる
しゃがんでみれば 私に近づく
近づいたと思ったら 何処かへ消えていった


私は 影になるモノ
月も太陽も 影を作るもの
闇がなければ 始まらない
月影の不思議な世界


道を歩けば 憑いてくる
動かない月も ついてくる
電気の真下に往けば 私が増える
一歩進めば 誰かが消えてる

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