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「かんてら」

名古屋駅の真ん前に「大名古屋ビルヂング」というのがあるが、今建ってるのは2016年に建て変わった新しいビルで、元々はぼくと同い年の古いビルだった。
ビルヂングという呼称は三菱地所のビルにつけられたもので、東京・丸の内の丸ビルなんかも昔はビルヂングだった。
名古屋のそれはどういうわけだか呼称は刷新されず、このまま残っている。

さて、前置きが長くなったが、ぼくの大名古屋ビルヂングの記憶となると、これはもう古いビルでのものばかりだ。
社会人になってからは仕事でよくお世話になっていた老舗レコード店が地下にあったので、よく担当者をコーヒーに誘いに日参したものだ。

そのコーヒーだが、同じ地下に「かんてら」という店があった。
いつも満員で、昼間のいい時間なんかは座れたら奇跡みたいな感じだったが、実によく利用したのだ。

そのかんてらも2011年に一度ビルを閉館すると同時に店を閉める事になった。
ニュースにもなり、界隈でコーヒー難民になるサラリーマンは嘆いたものだ。


この写真は、その閉店までのドキュメントを冊子にしたものだ。
どこかのイベントで数百円で売っていて、一も二もなく買った。
それでその場にいた撮影者と思い出話に花を咲かせたわけだ。

名古屋に戻っても、こういった馴染みの店がなくなっていく。
身体が動くうちに見ておきたい所はたくさんあるのに。

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