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乙女のワルツ

1975年というと昭和50年であるから、ぼくは小学4年くらいか。
前年に我が中日ドラゴンズが20年ぶりにリーグ優勝を果たし、優勝パレードが学校の近くを通るので授業をつぶして見に行ったくらい名古屋中が大騒ぎだった。
そのためか、この辺りの記憶には印象深いものが多くある。

伊藤咲子さんは「ひまわり娘」がデビューだという。
もちろん大ヒットしたので知っている歌だ。
当時の印象でも歌が大変に上手い人という認識だ。

改めてwikiを見ると、この「乙女のワルツ」は5枚目のシングルだという。
大きな口をしっかりと開けて朗々と歌い上げる姿は今でも覚えているが、今思えば16とか17のお嬢さんだったわけだ。

この歌は色々な人にカバーされているようで、YouTubeを探すと中森明菜とか大竹しのぶと甲本ヒロトなんていうデュエットまで出てくる。

なんかの折に最近この歌を改めて聴いて、ちょっと目頭が熱くなる思いをした。
これは大変な名曲ではないのか、と改めて認識したのである。
メロディがどうの、歌唱力がどうの、歌詞がどうのの話ではない。
全部いいのだ。
全部いい歌など、そうは見当たらない。

伊藤咲子さんの歌はそんな感じのものが多い。
ま、これは「ぼくにとって」の話ではあるが、この歌のほかに「木枯らしの二人」とか「君可愛いね」とか、鼻歌まじりに今でも出てくる、ふとしたメロディは伊藤咲子さんの歌だったりするのだ。

歳のせいだろうけれど、最近の歌はよく分からない。高音域でキンキンがなり立てるものばかりに聴こえてしまう。
昔のばかりを拾い、いいな、いいなと聴いている。
つまり今の人たちからすれば年寄りの戯言にしか聴こえないのだろうけれど、今の歌だって30年もすればそう言われるのである。

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