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真性S女 アトリエ・エス と行く万葉のたび

第二十五回 鳥にもがもや ← これ、結構な自信作なのよ

万葉集は正しくは、まんにょうしゅう と読むとか。
どうです? 真性S女 アトリエ・エス の『まんにょう』は中々味があるっしょ? ごマン足頂けて幸いです。

なーんて、これって犬養先生の受け売りなんだけどね。
ただ丸写しの類ではない。消化して自分のものとしてから出してる積りです。
さて、山上憶良の餞別の歌でしたね。『鳥になりたいという願望は』

     天飛ぶや 鳥にもがもや 都まで 送り申して 飛び返るもの
             (万・巻五876)

何度か申しましたように、大伴旅人と憶良は親交がありました。
場所は九州の地、かなり高齢になってからの赴任、ともに妻に先立たれての境遇。
そんな折、旅人が大納言になって都にのぼることになったのです。
既報のよう、時に旅人66歳。
憶良の送別の歌がこの歌です。

空飛ぶ鳥だったらいなあ。都までお送り申して飛びかえってくるものを…

惜別の念と同時に、おそらく憶良自身の都へ帰りたいという気持ちが込められていたと思います。

時に憶良71歳。九州の地もまた都まで一月旅の時代です。

如何でしょう?
年号の梅云々は、こうした背景の中の二人の、寂寥生活で生まれたものなんですよ。
それを知れば、先年の改元の折の、大宰府談義も違ったイメージで見ることができたのではないですか?

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