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真性S女 アトリエ・エス と行く万葉のたび

第二十一回 亡妻を偲んで

和歌に世界には挽歌というのがありますね。
万葉集では案外重きのあるところで、相聞・雑歌とともに三大部立ての一となります。数からしても全体の5%超。
そのうちから一押しをあげろというなら、そうですねえ。

   我妹子が 植ゑし梅の木 見るごとに 心咽せつつ 涙し流る
          (巻三453)

旅人です。
ほら言ったっしょ?妻に先立たれてからの遠隔地高齢赴任と。
故郷の家に還入(かへ)りて即ちよみたまへる歌三首とある。ちょうど大宰府に赴く前に作った連作のラストです。


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