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一筋縄では行かない価格についての考え方#136

皆様、こんにちは。
佐伯です。

また今日から1週間が始まりましたね。
富山県は土日の雪模様が嘘のように晴天でとても気持ちの良い気候です。

その為か土日は気圧の急激の変化で体調が悪かったのですが、今日はとても快適ですこぶる調子が良いです。

さて、本日は価格についてお話をしたいと思います。
私のnoteでは度々、「安い」ことへの危険性について警鐘を鳴らしてきました。

今回はより具体的に「価格が安いとどうなるか?」という点についてお話しをしたいと思います。


①安い価格で売るためにどうしているのか?

1円でも安くして、お客様に提供する。
長くデフレが続いた日本においては念仏のように唱えられてきた言葉です。

皆様、価格を1円下げるためにはどんな影響があるのかご存知ですか?

安価な商品やサービスが存在する背景には、多くの場合、人件費の削減、品質の低下、化学調味料や添加物の使用など、皆様にとって必ずしも望ましくない要因が隠されています。

これらの戦略は、短期的にはコスト削減に繋がるかもしれませんが、長期的な観点から見ると、多くの問題を引き起こします。

この点を分解してみると大きく3つの問題が発生します。
これらをご説明したいと思います。

②人件費の削減とサービスの質は隣り合わせ

1番簡単なのは人件費です。
例えば、人件費を抑えることは、従業員の満足度の低下やサービス品質の劣化に繋がります。
低賃金は従業員のモチベーションを下げ、その結果、顧客サービスの質が低下します。
短期的には経費削減に貢献するかもしれませんが、長期的には顧客満足度の低下によるリピーターの減少を招きかねません。

③添加物と化学調味料の使用

私は食品をメインに事業をしているので食品産業を例に挙げたいと思います。
食品産業では、製造コストを下げるために添加物や化学調味料が頻繁に使用されます。

例えば砂糖の1万倍の甘さを感じる化学調味料があります。
この添加物を1滴使用することで砂糖が不要になりコストが激減します。
そして味はほぼ変わらず、安くお客様に販売できます。

これらの成分は、一時的には味を強化やコスト削減に貢献するかもしれませんが、長期的には消費者の健康に悪影響を及ぼし、本物の食材から得られる味覚を損なうことになります。

身も蓋もないことを申しますと本来、自然から感じることができる味というのは薄かったり、癖が強かったりします。
そして収穫できる果実は歪なものが多いです。

私たちは良い意味でこれらを「自然の味」と表現します。
滋味深く、栄養が豊富な食材ほど癖が強かったりするものです。
そして、自然の恵を管理することは中々難しく、手間が掛かりコスト高になることが往々にしてあります。

すると健康に良いが形も悪く癖も強い、そして高い野菜と、なんだかよく分からないが形も綺麗で安い野菜(これは農薬や化学肥料を使用し、さらに規格外の野菜を全て廃棄しているからです)がスーパーに並ぶとします。

すると後者の野菜ばかり売れるのが現実です。

ここで伝えたいことは、「なぜ目の前の商品が安いのか」「どうして安くできるのか」という視点を一呼吸置いて考え頂きたいということです。

これは販売者側にもきちんと販売する商品の成り立ちや使用している薬剤などをきちんと説明する義務があると同時に、消費者側も価格についての知識を持って頂きたいという思いです。

話は脱線しますが、現在、金融教育が義務化されました。
しかし、内容を見てみると株式などの話ばかりです。

これはいけません。
金融で最も大事なことは「物を買って、物を売る」この当たり前のことをしっかりと理解することがとても大事なことです。

そして、「なぜこの商品がこの価格なのか?」「なぜ1万円が1万円の価値があるのか」という「値段と価値の違い」を学ぶこともとても大事なことです。
少し脱線しましたが、伝えたい内容だったので長くお話ししました。

④継続可能性の問題

最後ですが、価格を過度に下げることのもう一つの大きな問題は、継続可能性です。
適切な価格でなければ、生産者は市場から撤退し、長期的にはその商品やサービスは消費者にとって利用できなくなります。
これは、経済全体にとっても、個々の消費者にとっても望ましくない結果です。

なぜなら消費したくても消費できなくなるからです。
これでは国の血液である経済が停滞し、末端から壊死してしまいます。

現在、インフレが進行しており消費に対し前向きになりつつあります。
初めはコスト高によるインフレでしたが、徐々にその内容が変化してきました。
30年ぶりの大チャンスです。

しっかしと物にしたいところですね。

⑤意識的な選択をしよう

「安ければ良い」という考え方は見直しが必要です。
価格だけでなく、購入する商品やサービスの背後にある真実を理解することが重要です。
消費者として、私たちの選択がどのように自分自身や社会全体に影響を与えるかを意識することで、より良い未来を築くことができます。

価格の裏にある物語を理解することは、単により良い購入決定をすること以上の意味を持ちます。
それは、より公正で持続可能な経済システムを支持し、質の高い商品やサービスを求める消費者としての責任を果たすことに繋がります。
価格の真実を理解することで、私たちはより良い選択をする力を手に入れるのです。

それでは皆様、ご機嫌よう。

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