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地方公共団体は稼いではいけないのか?独自の収入源が人口減少時代を生き残る鍵になる!#104

皆様、こんにちは。
佐伯です。

富山県は昨晩から再び寒さが戻りました。
予報によると降雪もあるようで深夜の除雪作業も再開されるのかと思います。

さて今回は地方公共団体が独自の収入源を持つことの重要性と課題について考えてみたいと思います。

恐らく多くの方が地方公共団体の税収が年々減少している現状に、多くの人が危機感を抱いています。
この問題は、特に人口減少が進む我が国において、現在のレベルでの公共サービスの維持を不可能にしています。
では、地方公共団体はこの危機にどう対応すべきなのでしょうか?彼らは独自の財源及び収入源を持つことが許されるべきなのでしょうか?

より具体的に掘り下げてみたいと思います。


①人口は減少し、税収も減少。稼ぐしかない!

地方公共団体の主要な収入源である税収は、人口減少と経済活動の縮小により年々減少しています。
これにより、教育、福祉、インフラ整備など、住民に提供される基本的な公共サービスにも影響が出始めています。

皆様の地域でもこんなことはありませんか?
「ゴミの回収日が減った」「住民検診のメニューが減った」
「道路の破損が中々直らない」「自分の時に比べて子供の給食が少なくなった」などなど、普通に生活しているだけで心当たりはあるかと思います。

高岡市令和3年度財政状況資料集より抜粋

例として私の住んでいる高岡市の財政状況についての資料を抜粋しました。
細かすぎて見にくいのでご興味のある方はリンクから直接Excelファイルをご覧になって下さい。

まず分かりやすい点で言うと「財政力指数」です。
こちらは総務省が定めた指数でして、ざっくり説明しますと過去3年間の収入額を支出額で割り算した数字です。
全国平均は上回っていますが、平均値なんてものは玉石混合であまり意味を為しません。
一応類似団体(財政規模や人口規模が同程度の市)との比較があります。
こちらの比較だと残念ながら類似団体より弱い財政力しかないことが分かります。

ですが、そもそも論で1を割ってる時点でアウトなんですけどね。
特に効果的な投資をしているわけでも無いので健全な財政運営とは言えません。
民間企業であれば、新しい収益の柱を作るために必死に事業展開しますが、地方公共団体ではそれができません。
正確には出来ない訳ではないけど、やると目を付けられて大変なことになるという事です。

それでは誰に目を付けられて、どんな仕打ちが待っているのでしょうか?

②自由を許さない総務省、地方交付税交付金という名の配給制度

以前、総務省と大阪府泉佐野市が盛大に喧嘩してた事は皆様も記憶に新しいでしょう。
内容は、ふるさと納税の返礼品を巡って総務省と泉佐野市が論争になり、一方的に総務省が泉佐野市に対し交付金の減額を決定しました。
その結果は1審では勝訴したものの2審で泉佐野市の逆転敗訴となりました。

そもそも、なぜ総務省が泉佐野市に対し激怒したのでしょうか?

それはふるさと納税は地方交付税交付金の算定に反映されないという点が非常に大きいです。

出典:財務省「地方財政 2023年10月4日」より抜粋

つまり泉佐野市がふるさと納税でガッポリ稼いで地方交付税交付金も今までどおり受け取るということに対し総務省は腹を立てた訳です。

なぜなら総務省の力の源は遍く地方公共団体を地方交付税交付金を使ってコントロールする事だからです。

ちなみにマイナンバーカードの普及率がまだ低かった頃、総務省は各市町村に「普及率を上げないと地方交付税交付金を減らすぞ!」と中々アグレッシブな可愛がりをしました。
そのため全国の市民課窓口は死にそうになりながら必死に普及率を上げていたのです。

元々はスタート当初にコケまくって、上手にPRできなかった総務省のミスを最後は子会社である地方公共団体に後始末をさせるという、半沢直樹の世界観にそっくりです。

話はそれましたが、要は地方公共団体が稼ごうとすると総務省から地方交付税交付金をチラつかせて頭を抑えてくる訳です。

それを跳ね除けれるかは、その時の首長の肝の座り具合によります。

③ファーストペンギンは誰だ?

しかしながら、年々税収は減少し、特段、国からも特別な補填はありません。いつかは総務省を振り切って挑戦するしかないのです。

なので冷静に考えると地方公共団体が稼ぐということは物凄いブルーオーシャンです。
勇気を持って飛び込んで、ちゃんとすれば稼げるのです。

地方公共団体は、公共財産の有効活用、地域特産品のブランド化、観光資源の開発などにより、収益を上げるチャンスがあります。
しかし、これらの取り組みは、しばしば既存の法規制や資金不足、人材不足といった課題に直面します。

今必要なことは、自分たちの市場を客観的に見て稼げると確信したら飛び込む勇気と細かな問題を一つづつ丁寧に解決するための専任の職員の育成ではないかと思います。

地方公共団体が独自の財源及び収入源を持つことの重要性は、現代日本において否定できない事実です。
総務省と地方交付税交付金の制度による制約は、時に地方の自立と発展を阻害する可能性があります。
しかし、創意工夫と地域住民との協力により、これらの課題を克服し、地方公共団体が自らの力で稼ぐ道を開くことは可能です。
地方の自立と持続可能な発展のために、新たな財源確保の方法を模索することが、今後の日本においてますます重要になってくるでしょう。

それでは皆様、ご機嫌よう。

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