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学校での環境クラブ

学校で授業をしている。対象は小学校三年生から先生まで。

配属先は学校へのレター作成と最初の顔合わせをしてくれて、その後の細かい調整、授業の設計・実施はほぼボランティア一人。
同僚には事前に簡単に内容を共有して、ポルトガル語のサポートを多少してもらうくらい。


感じたこと雑記

・考えることが苦手。「環境を守るためには何をすればいいかな?」じゃダメ。丁寧に丁寧にフれば返ってくる。半ば誘導尋問。でもそれはこの国の学び方。崩すのは簡単じゃないし、崩すべきとも限らない。

・わかったことに対する反応はスゴくいい。挙手する。

・共同作業が苦手。「みんなで考えよう!」とアクティビティのカードをグループのひとりに渡しても、均等に配られることはない。相談して意見をすり合わせることができない。

・知識はある。「プラスチックはリサイクルできる素材だ」と知っている。そしてそれは、モザンビークのリサイクル事情の遥か先にいて、現実に即していない。

・子供達の集中力を切らさないための工夫が重要。現地の同僚はトークで解決しようとする(ある程度できている)。僕は動画やマテリアルを多用して、ポルトガル語力を補っている。

授業の方針

僅かであっても子供たちの行動を変えたい。「ゴミはゴミ箱に」みたいなシンプルなメッセージを繰り返し繰り返し伝えたい。っていうか「ゴミはゴミ箱に」だけでいい。
モヤッとさせて自ら考える力を養うのも環境教育において重要なアプローチだけど、この国の学びのスタイルにそぐわないし、自分の経験・語学力では難しい。

配属先との関係

授業においては、配属先の同僚たちとの知見の共有ではなく、どれだけ多くの人にアプローチできるかに主眼を置いている。
作成した教材も、モノが良けりゃ勝手に使うし、そうじゃなかったら棄てるだけ。彼らの考え次第。自分がアプローチできるのはここまでかな。

配属先に勝手に期待して落ち込むのはやめて、「配属先が求めていること」は忘れ「いまモザンビークでできること」にフォーカスする。
事実として、そのスタンスを意識してから、配属先との関係が少し良くなった。

…と多少冷めた心持ちでやっているのだけど、配属先としても、放っておけば授業して成果出してくれるんだから良いはず(中身を擦り合わせていないので問題だが…残念ながら彼らは数値目標達成を主眼に置いている)


質のよい授業を多くの子供達に提供すれば、誰かの行動は変わってくれるはず。種をまく。