デザイナーに聞く、Pシリーズが魅せる新しいパールの概念
このnoteでは名古屋・東京を拠点に活動しているATingの魅力を皆様にご紹介しています。
今回ご紹介するのは、ATingの人気商品のひとつである”Pシリーズ”。
昨今のパールブームで「旧態依然の真珠」から脱却したアイテムが数多く登場する中、ATingのPシリーズが選ばれる理由を探っていきます。
Pシリーズとは
淡水パールと天然石のビーズを組み合わせたネックレス・ブレスレットのシリーズです。2022年、伊勢丹新宿店でのイベントで初お目見えしました。
ネックレスチェーンやチャームと組み合わせることで無限の楽しみ方ができる欲張りなアイテムです。
Pシリーズ誕生ものがたり
Pシリーズは2022年に誕生しました。
ーー以下 話:デザイナー タキガミ
ずったネックレスを作りたいと思っていました。シンプルでスタイリッシュなんだけど、他にはないシンボリック的な要素が欲しかったんです。
パールはブランド立ち上げ当初、カラフルな淡水パールを使ってブレスレットを作っていました。
好きな素材の一つですし、プライベートでもパールアイテムはたくさんもっています。
でも昔から数多のブランドが素材として使い、パールジュエリーと言えばこんな感じというイメージや概念がこびりついているような気がしていたんです。
そんな旧態依然としたパール業界に、TASAKIが発表したバランスシリーズはパールのこうであるべき、という固定概念を崩すエポックメイキングでした。パールっぽさを排除した前衛的なデザインは
発想の転換で見つけたアイディアのパンくず
Instagramを情報発信の場として、また新しいアイディアを見つけるためにも活用しています。
そんな時、インスタでアメリカ西海岸では天然石とパールネックレスをミックスしているデザインが多いことを知りました。
シンプルなデザインなのに、アメリカらしくて、
とにかく自分がそのカラーリングに強く惹かれたのです。
もちろんそのデザインをそのまま流入させないのがATingです。
私がインスタで見たそのアイテムたちはまんまるのパールを使っていたんですよね。
それももちろん素敵だったんですけれど、自分が使うにはちょっと大ぶりすぎるというか何かが違ったんです。
そこで秘蔵のパールが詰まったボックスを取り出して、何かいいものはないかな、と見ていたら目に止まったのが鏡餅の形のパールです。
これが天然石のビーズと同じ形をしていたので、より統一性を持ったアイテムが作れるなと通し始めました。
天然石を使う、ATingにとってある種の必然性のような行為も熟考の末での取り合わせでした。
そしてひらめきました💡
パールと天然石を交互に使ってみよう。
それはタブーとされているデザインでした。
概念にとらわれないとは?パールのタブーとは
パールを扱う上で避けるべきこと。
それは石のような硬さがないパールだからこそ、傷をつけないように
硬い石のビーズがパールを傷つけるからです。
私は割とこの障壁をぴょんと簡単に飛び越えてしまいました。
それでもパールとビーズの間にクッションをつけることも考えましたが、デザインに妥協したくなかったので当初考えたデザインで作製を始めました。
Pシリーズの発表後、どうでしたか?
評判は上々でした、正直、驚きました!
私はこのデザインは見たことがないし、とっても自信はありましたが、その違いを理解してくれる消費者の方がどのくらいいるのか発表前は未知数でした。
しかし私の予想は見事に打ち砕かれましたね。
かなり多くの方がその違いに気づいてくれました。
ほかのパールジュエリーにないその違いとは?
やはりパールジュエリーにはないカラフルさ、ですね。
パールにも色はたくさんありますが、メタリックな色が多く、石の色とは異なる印象です。
石には透明感や光沢感などがあり、パールだけではつくりだすことができないコントラストが表現できていると思います。
また「色で遊ぶ」ことも、今回テーマにしました。
ヴィヴィットな2色を選んだ【月の光】や、ロングのパールネックレスの中に石の形で遊んだ【プレリュード】、とっておきのヴィンテージガラスをポイント使いした【夢】。
どの作品もほかのブランド、ほかのジュエリーデザイナーには作れないATingだからこそつくれるデザインだと自信をもって言えます。
Pシリーズのこれから
発売当初は小さなタイヤと呼ばれる鏡餅の形をしたユニークなパールと、エメラルドやオパールなど数種類の天然石を交互に組み合わせたものでした。
現在では天然石の種類も増え、パールの大きさも大小様々なものを組み合わせたユニークなアイテムが登場しています。
Pシリーズは様々なデザインのネックレスに
フランス人作曲家のドビュッシーの曲名を名付けました。
私が好きで唯一弾けるピアノ曲です。
ベルガマスク組曲の【プレリュード】【月の光】
独奏曲の【夢】
それぞれの曲のイメージに合わせてシリーズ名を当てはめました。
【プレリュード】は流れるようなメロディーラインをさざ波のようなグラデーションに見立てて、サイズや形の異なるパールを配置したロングネックレスに。
Pシリーズのきっかけとなった天然石をとのパールネックレスは、キラキラと光る石のビーズを【月の光】と見立てて。
二音の平行音律のメロディにぴったりの名前となりました。
10年来持ち続けていたヴィンテージのガラスパーツをモダンにパールと組み合わせた【夢】シリーズ。ヴィンテージなのに、このぽってりなフォルムにわたしのブランドイメージがぴったりと気づき、シンプルに極小のライスパールと組み合わせました。
MoMAは現代美術館へモダンアートを見に行くときに、身に着けてほしいネックレスです。
今後のPシリーズからも目が離せませんよ!
Don’t miss it!
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