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臭くなってきた夫を会議にかける(2022/04/20)

夫が本格的に臭くなってきた。
もともと結構臭かったのだが、「ちょっとくらい臭くてもかわいいよ」などとふざけていたのが助長させたのだろうか、最近かなりダメな感じになってきた。
家の中で洗濯物が臭うとか、すれ違いざまに屁をこかれるとか、なんかもうそういうスケールではない。社会的に大丈夫か? 電車で避けられたりしてないか? と心配になるレベルの臭気に近づいている。

「娘から臭いって言われちゃって~」などとマジでやばい臭気を撒き散らしながら照れ笑いするオッサンになってほしくない。
ちなみに「近親姦を避けるために思春期になると遺伝的に近い異性の臭いを本能的に嫌うようになる」説は全く信じていない。あんなもん子どもに本当に嫌われているのを信じたくない臭いオッサンの吐いた嘘だ。
現にわたしは実の父親を幼少期から思春期、現在に至るまで臭いと思ったことがない。消臭に気を遣わない友達のお父さんや血の繋がらないオッサンらの方が臭かった。
臭いやつはただ臭いのである。
という訳で、夫を家族会議にかけた。

議題:夫が臭くなってきた件について
参加者:わたし、夫

もうこんなもん不当裁判と責められてもしかたない。リンチじゃん。
しかし夫はいいやつなので真面目に会議に参加してくれる。臭いけどいいやつ。でも臭い。
いいやつなので会議も5分かからず終わった。
「ちょっと最近やばいと思う。夫用のボディソープとか用意したら傷つく?」
「妻からやばい臭気を指摘されてる今がMAX底だから大丈夫」
ということで、加齢臭に効果ありとされるカキタンニン配合の柿渋ボディソープを購入し、使ってもらう。
使用1日目、なぜか暗い顔で帰宅した夫が「俺っていつから臭かったの…?」と聞いてきた。かわいそうに。結構前からだよ。
職場で、「えっ!? 柔軟剤? 洗剤? 変えました? 前のよりいいですよ!」「香水ですか? いや、そういうのつけないタイプだと思ってたので。すごくいいと思いますよ!」と大好評だったらしい。ワハハ。
たしかに全然臭くなくなった。すごいな。なんか髪とか肌とか新鮮な感じがする。
ところで今回説得するにあたって「娘に臭い! パパ嫌い! って言われたくないでしょ!?」という脅しを用いてしまったが、やっぱ嫌われたくないもん? と聞いてみる。

「嫌われたくないっていうか、そんなことで消耗させたくないっていうのはある」

そうだね~。
「娘に臭いって言われちゃって~」おじさんのなにが嫌って
・「臭い」という妻子の訴えにまともにとりあわない
・嫌だの臭いだの言ってもこいつらは俺から離れては生活できないのだというキモい慢心
があるからですよね…いや、臭い単品でも嫌ですけど。

「お母さん嫌い」とわざわざ言われたくはないが、言う権利が娘にはあるし、言えないようにはしたくない。
わたしが言わせてもらえなかったことばだ。今も。わたしの母は30過ぎの娘にも「お母さんのこと好きって言え」と強要するタイプ。こえーよ。
「お母さん嫌い」といつか言われたら、ちゃんと撃たれようと思う。そんなことで消耗させてごめんと謝ってちゃんと話をしたい。茶化さず真摯に。臭いって言われたら受け止める。わたしも柿渋ボディソープ使うよ。


・アスパラの穂先にしたたつてゆく朝

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