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〈ARK 10月Webinar - スタグフレーションへの懸念 -〉

こんにちは。ARK trade information (Twitter:@ActiveArk)です。

ARK webinar in Oct では、CEOのCathieとARKのanalystが (1)直近のマーケット状況 (2)各セクターや企業についての見解を視聴者の質問も交えながら解説しています。


1時間超の動画を内容短縮してお届けいたします。
ウェビナー前半部分は下記内容と被る部分があるので割愛いたします。詳細はこちらをご確認頂ければと思います。

記事作成継続のためにも、投げ銭を頂けますと幸いです☺️

■経済全体について

・一次産品の価格は、鉄鉱石やDRAMの価格のように50%以上下落しているものが多い状況です。一方大きな例外として原油が挙げられます。原油価格の上昇は、供給面での問題があるからです。また石油会社を筆頭に、石油から自然エネルギーへと予算を振り分けたことも要因の一つです。

・私たちは、原油価格の上昇が将来的に制御不能なインフレを引き起こすとは考えていません。一方で、スタグフレーションになるのではないかと考えています。

・私たちはインフレが大きな問題になるとは考えていませんが、サプライチェーン問題による経済成長については心配しています。昨年のコロナウイルス危機の際、私たちはオンラインで商品を購入する以外、ほとんど何もできませんでした。消費材は通常消費全体の30~33%ですが、昨年は40%台に突入したこともあり、モノの消費に対して指数以上の支出がありました。

私たちの仮説では、家の中にたくさんの在庫が溜まっていて、これからまた在庫の蓄積が始まるかもしれません。サプライチェーン問題で、子供や友人両親にプレゼントを贈ることができないという話を耳にします。今後6~9ヶ月間は、多くの混乱が生じると思います。

・自動車メーカー向けのチップ不足が取り沙汰される中、Teslaは私たちが最も信頼している銘柄です。9月のTeslaの販売台数は51%増の一方、世の中の一般的な自動車販売台数は17%減でした。自動車メーカーは10~15年前にはチップが最先端だったにもかかわらず、アップグレードのための投資をせず、設計サイクルも5年間と非常に遅いのが問題点です。

■中国

・「中国企業が投資可能になるのはいつなのか」という質問について、今は投資可能な状態だと思います。我々は投資比率を下げて、粗利率が非常に低い企業に移行しました。例えばJDなどは、政府が国民全員の繁栄を達成するための支援を行っている中、各都市に商品を供給し、国民がこれまで享受できなかった商品やサービスを利用できるようにしています。

・一方でテンセントについて、中国政府はデジタル人民元をアジアの基軸通貨にしたいと考えており、これはテンセントの助けなしには実現できないと考えています。しかし現在は投資対象にはならないと考えています。何に投資するにしても、政府の”共通の繁栄”という目標に合致しなければなりませんし、利益率の高い企業であっても、その目標に合致しない可能性があります。


・中国不動産市場について、中国消費者の貯蓄の75%を占めるかなり大きなマーケットです。消費者が最大の投資対象である不動産がデフレになり始めていると感じれば、問題を悪化させるような売り方をするかもしれないし、それは中国にとって大きな問題になるでしょう。また中国はその事実を知っていると思います。不動産市場の崩壊可能性について、今は大きなリスクがあります。

■仮想通貨

・仮想通貨は米国機関投資家の参入だけでなく、エルサルバドルのニュースを受けて、特に新興市場では暗号資産への移行がますます進むと思います。エルサルバドル政府は、30ドルのビットコインが入ったウォレットを発行しました。その影響もあり、エルサルバドルは銀行口座を持っているのが現在120万人に対し、暗号通貨ウォレットの所有者は400万人います。


・多くの人に「デフレ・インフレはリスクが大きい」のに仮想通貨に対して強気であるのかという点について、銀行システムなどにはカウンターパーティー・リスクというものがあります。ですから、ビットコインのような保険を使って自国の将来を自分達で管理することは、非常に重要なことであり、新興国だけでなく先進国でも普及していくと考えています。

■ARKが本社を移転した理由について

・ARKがフロリダ州のセントピーターズバーグに本社を移転したことについて、セントピートは次のボストンになることを望んでいて、ハイテク企業のイノベーションを誘致したいと考えています。イノベーションと安全性を重視し、その他芸術や音楽、文化が充実しています。私たちはこのコミュニティの活気を目の当たりにしています。規模は小さいかもしれませんが、これは始まりに過ぎないと思います。

■Zoom

※ ZoomのFive9買収について↑


・ZoomのFive9買収は失敗に終わりました。私たちは、今後の機会に大いに期待しています。

未来の仕事はオフィスワークとテレワークのはハイブリッドになると考えています。ハイブリッドな環境で仕事をしている場合、コラボレーションを可能にする非常に優れたコミュニケーションソフトウェアが必要です。

・ガートナー社によると、2019年には世界のホワイトカラーの約27%がリモートワークを行っていましたが、21年末までに約2倍の51%になると予測しています。この行動が上昇傾向を続けるかどうかは、働き手が何を考えているかにかかっていると思います。

マッキンゼーは経営幹部を対象に同様の調査を行っており、全従業員のマインドシェアを考慮すると、COVID後も90%の経営幹部がハイブリッドワークを継続すると予想しています。私たちは、ハイブリッド・ワークモデルが全てのナレッジワーカーの間で標準となり、社内外のコミュニケーションを可能にするというトレンドの恩恵をZoomが受けるのは妥当だと考えています。

・Zoom はMicrosoft Teams・Cisco WebEx・Google といった競合他社よりも、ビデオ・オーディオコミュニケーションにおいて優れたテクノロジーを備えているため、最も強力な技術的基盤を持っていると考えています。

Wainhouse Research は、様々なビデオ会議ツールを使用して、AI で学習したモデルを使ってビデオ品質を測定し、ビデオファイルの送受信間のパケットロスの程度を比較し、Zoomが最高のスコアをたたきだしました。

・ビデオ会議クラウドベースの電話と、テキストベースのチャットを含む市場について、Zoomの潜在的な評価範囲を見てください。これはZoomの潜在市場がいかに大きいかを示するために行ったものです。ここではTAM推定値を10%普及させるだけで、Zoomの販売額が2倍以上になることがわかります。同様に15%の普及率であれば、企業価値は4倍近くになる可能性があります。

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■ Social commerceについて


・私たちは「ソーシャルメディア上で行われる取引」と、「ライブストリーミングなどのソーシャル機能を使った取引」に焦点を当てています。アプリ内やソーシャルメディアサイト上で行われる取引について、米国で本格的に始まりつつある大きなトレンドであり、中国ですでに起きていることと同じようになると考えています。

・私たちがその様に考える理由を説明します。
1つ目は、FinTechソリューションが豊富に出てきていることです。FinTechの発達により、業者は自分の得意な分野に集中できます。現在Eコマース向けのFinTech as a Serviceが数多く登場しています。


これらの多くはShopifyに集約されており、彼らが成し遂げてきたことです。オンライン販売に必要なスタックに関わりたくない人でも、効率的に多くの異なるサイトで販売し、オムニチャネルの存在感を示すことができるような既製のソリューションがたくさんあります。


・次に、従来のソーシャルメディアサイトが、Eコマースソリューションを採用し始めたことです。Facebookがライブ・ショッピングを開始すると報じられていましたが、Amazonもかなり前から行っています。また、Snapchat・Pinterest・Facebook・Instagram・Tik Tokなど、様々なアプリケーションが登場しています。これらのアプリケーションは全て、アプリ内でのショッピングを可能にし始めています。


ソーシャルメディアが提供する流通効果は、eコマースの売上を大幅に向上させると考えています。なぜなら、1日で世界中の人々に店舗を開くことができる歴史上初めての時代だからです。先ほど述べたいくつかのソーシャル・メディア・サイトのユーザーは、数億人や数十億人ではなく、数十億人にものぼります。販売方法を考えるとき、実店舗を持つのか、オンラインで販売するのか。そしてオンラインだけではなく、ソーシャル・プレゼンスを持つことが、競合他社にとって非常に重要なポイントとなります。

2025年には17兆円になると予想されているEコマース市場の中でも、ソーシャル領域は非常に大きな市場になると考えています。

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■Draftkings について

・ARKが以前からDraftKingsについて話していたことを、市場が理解し始めた様に思います。1つはDraftKingsがオンライン・ファンタジー・プロバイダーとしてスタートしています。そして今DraftKingsは、スポーツエンタテインメント空間の中で、NFT等の様々なソリューションを提供し始めています。


・9月のアプリのダウンロード数と市場シェアについての記事がありましたが、DraftKingsは新規ダウンロード数の30%を超えて1位を獲得しました。このようにDraftKingsが、競合他社を引き離し始めていることは非常に素晴らしいことです。

それからDraftKingsに関する最大のニュースは、MGMを所有する合弁会社の保有を表明したことです。もしこの件が成立し合弁会社の一部を獲得できれば、DraftKingsの市場シェアは上昇し、確固たる地位を築くことになります。このようにブランドと会社の発展のために大きな計画を立てている会社には、たくさんのエキサイティングなことが起こっています。

■Unityについて

・AIモデルは、データを追加するほどモデルの性能が向上しますが、現在これらのモデルを学習するのに十分なデータがないという問題に直面しています。そこでシミュレーションの出番です。シミュレーションや合成データは、トレーニングのためにデータを増やすだけでなく、現実世界の一部を切り取ったシナリオのシミュレーションにも利用されています。Unityは非常に強力なシミュレーションエンジンを搭載しており、オープンAIなどの組織と連携していることもわかっています。


・(話は変わり)ゲーム業界の変化と、Unityがゲームエンジンで何を目指しているのか大まかに説明します。パンデミックの結果、私たちがオンラインで過ごす時間はどんどん増えています。この時間の多くはビデオゲームに費やされ、非常に大きな産業になっています。

ゲームはソーシャル化が進んでおり、友人とチャットしたり、コンサート・新製品・パートナーシップの購入、映画の予告編の視聴など、さまざまな体験をすることができるようになり、その領域では多くのことが起こっています。この様に多くのビデオゲームが、よりソーシャル化されたゲームへの道を進み、最終的には仮想体験のメタバースのようなものへと向かっていくと考えています。

Unityはゲーム業界での優位性から、これらの体験のための主要なインフラの1つになると考えています。これらのバーチャル体験の多くは、エンジンによって支えられています。

■AIや自動化の未来

・AIや自動化による驚異的な生産性の向上は、雇用の減少を広げるのではなく、より良い高給の仕事を生み出すと考えています。

過去の技術革新のサイクルを見てみると、人間の仕事を自動化してきた技術は、実際には生産性の向上につながってきました。AIは人間に取って代わることはなく、仕事をより良くすることができますし、人間とペアになったときに最も効果を発揮すると考えています。人間がやりたくない退屈な仕事をAIが代行し、人間には彼らが最も得意とする仕事をさせるのです。

更にソフトウェア・エンジニアのような特定の職種では、労働力が非常に不足しており、質の高いソフトウェア・エンジニアを確保するのは非常に困難です。人手不足が深刻な分野では、AIは人手不足を解消するために必要な要素であると考えています。


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