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愛知の郷土玩具「きらら鈴」

愛知県のHPで伝統産業一覧を見ていた時に見つけた「きらら鈴」
“きらら鈴“って名前、、、かわいい!どんな工芸品なんだろう?
そんな感じで、私がきらら鈴に興味を持ったきっかけは名前でした。

きらら鈴とは

揺らすとカラカラと高くて可愛い音がします

“きらら“とは花崗岩に含まれる鉱物「雲母(うんも)」のこと。
そして、きらら鈴はこの“きらら“を表面に散りばめた《土鈴(どれい)》のことです。
愛知県碧南市の郷土玩具。

これが雲母(動画を切り抜いているので画質悪いのお許しください)
雲母を粉々にして、土鈴の表面にまぶします
シンプルな素焼きの粘土、表面がキラキラ光って素朴な美しさを演出しています。

《 三河の国 土鈴のいわれ 》
愛知県西尾市吉良町の山々は雲母(きらら)の産地として有名でした。
特に八ツ面山の雲母は良質で「続日本紀」には三河より朝廷に雲母が献上されたと書かれている。
その昔、宮中の火事で八ツ面山の雲母を漉き込めた書類だけは、耐火性を発揮し焼け残ったとか。
雲母は頭痛の妙薬にもなると言われている。
他にも雲母は屏風や襖、扇など装飾に珍重され、京阪方面へ運ばれた。
しかし明治の中頃にはほとんど雲母は堀り尽くされ、また発掘人夫など犠牲者が出たため採掘は中止され、千数百年の歴史を閉じた。
その頃より、この地の陶工・加藤熊蔵の手により「きらら鈴」が作られ、村祭りなどでその霊を慰めるため、木の枝にぶら下げて御魂をお迎えしたと言う。
ちなみに吉良町の「吉良(きら)」は西尾市の八ツ面山の雲母(きらら)が語源と言われている。
*松田民芸品のきらら鈴の説明書から抜粋

もともとは鎮魂のための鈴だったようです。
ただ、時代の移り変わりによってきらら鈴の役割も変わっていきました。

きらら鈴は 2つで1つ

現在は、2つで1つのため「愛と幸せを迎える幸福のシンボル」とも言われており、縁結びや夫婦円満などの意味が込められています。

結婚する前のカップルが1つずつ持つことで、離れていても相手に想いを馳せる、なんてこともできます。そして結婚した後は1つの大きな土鈴を新たに家に飾るのだとか。

大きな土鈴はこぶしサイズ

唯一の作り手、松田さん

現在きらら鈴を製造しているのは西尾市にお住まいの松田さんただ一人。

辰年なので辰の鈴を持ってくださいました

何十年も前の民芸品ブームの時は飛ぶように売れたそうで、作り手も西尾市を中心にたくさんいたそうです。
今は松田さん一人になってしまいました。

松田さんの紹介動画はコチラ

そんな中、希望の光が、、、
実は現在、西尾市の地元のママ達がきらら鈴の後継者になろうと頑張っています。
きらら鈴を販売したり、ワークショップを開催したり、少しずつ松田さんに教えてもらいながら作り始めているそうです。

私はそのママの代表の方とも繋がっています。
「まだまだ後継者だなんて言えるレベルじゃないです」と話していましたが、これからも頑張ってもらいたい!今後その方達も取材したいと思っています。

色んな「きらら鈴」

きらら鈴は基本は手びねりで製作します。
キレイな音が出るように均一に、見た目も美しい丸みをつけるのが難しいそうです。

1つ1つ形が微妙に違います。
左がミニサイズ約2cm、右は通常のきらら鈴で約4cm

他にも型を使って成形する鈴もあります。
これらが、、、可愛いの!!

ハト鈴、菊の模様が描かれています
赤馬の土鈴、「吉良(きら)の赤馬」という民芸品をモチーフにした土鈴
千石船の舟鈴、4百日以上漂流して無事帰還した小栗重吉を記念して作った土鈴
いぬ鈴、うちの猫も気になる様子。柴犬可愛い!
赤馬の土鈴、平らな鈴バージョン。
雷よけ鈴、上の鈴と同じ形です。

松田さんは型もご自身で作られています。
そして電気窯で焼成しているそうです。

愛知には郷土玩具も存在した

愛知県は国に指定されている伝統工芸品が多いです。
有松鳴海絞り、常滑焼、名古屋友禅、三河仏壇、豊橋筆、、、

どれも高い技術で美しく、日本を代表するような工芸品の数々。

尾張(名古屋)といえば三英傑《織田信長、豊臣秀吉、徳川家康》の地ということで、城下町で作られるような工芸品ばかりで、郷土玩具はもっと地方の(←失礼)工芸品のため愛知県には無いと思っていました。

しかし、調べてみると愛知県にも郷土玩具と言われる民芸品もいくつかありました。
そしてそれらは手に取りやすく可愛いものが多いです。
きらら鈴もその1つ。

もっと多くの人にきらら鈴の存在を知ってもらいたい!
松田さんはオンラインショップをされておらず、地元のホテルのお土産などに卸しているそうで気軽に一般の人が手に取る機会は少ないため、、、

私がオンラインショップでお取扱いさせていただくことになりました!

きらら鈴のお買い求めはコチラ

よかったらオンラインショップのぞいてみてくださいね

オンラインショップでは、きらら鈴はもちろん私のお気に入りの「愛知のかわいい工芸品」を取り揃えています。

noteの更新頻度は少ないですが、これからもお付き合いいただけたらと思います。

以上、愛知の伝統工芸エバンジェリスト中村亜弓でした!




大きさ: 約4cm × 約4.5cm /個
高さ: 約5cm
重さ: 約75g

一つ一つ手作りのため、写真と多少異なる場合がございます。
高いところから落とすと割れてしまいます。

制作 : 松田民芸品 松田克己

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