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PINGからいいチッパー出ました…

PINGの案件ではありません。
ですが、最近PINGから出たチッパーがいいと、話題です。(私の周りでは)

まるでアイアンのような見た目。
37度ロフトは9番アインと同じ。

じゃあ、9番アイアンでいいじゃね-か!

というツッコミを入れました。

あなたは、グリーン周りのショートゲームは得意ですか?
ダフリやトップで、グリーンを行ったり来たりしていませんか?

チッパーにジガー、
本当に困っている人には
「救いの一本」
とも言えるクラブには未だに根強い信奉者がいます。

チッパーのような、
使い方が限定されるクラブを揃えてゆくとキャディバッグの中は14本では済まなくなってしまいます。

今回のお話は、

もしかしたらあなたのゴルフのプレイスタイルをごっそり変える可能性があります。

「ゴルフハックス カネトモ予想3.0」
と位置づけて、
チッパーが求められた歴史的、運動学的な経緯や、
上達に効率的な運動学的な練習感覚がつかめます!

打撃(だげき)系と投擲(とうてき)系の運動感覚を活かす

「インパクトまでの加速が大事」
   VS
「インパクト後の速度が落ちないことが大事」

ゴルファーの間で、しばしば論争になるテーマです。

【イラスト】インパクト問題

「インパクトまでの加速が大事」という人は、近年増えつつありますが、少数派です。
日本のゴルフ界では、圧倒的に「インパクト後減速しないこと」が重要視されてきました。

そのため、「大きなフォロースルー」とか、

「スイングアークを大きくするために」とか、

インパクト後までスイングに関するレクチャーがたくさんあります。

この感覚はどこから来るのでしょうか?

そして、どちらが「より効率的にショットを生み出せるのでしょうか?」

最後まで読んでいただけると、
上達には「インパクトまでの動きが重要」という近年注目されてきた、
「トゥ・ザ・インパクト派」のメカニクス的な根拠や、

なぜ、「スルー・ザ・インパクト派」が日本で主流だったのか?

そして、チッパーやジガーが求められた経緯と、
上達のためにどう考えてゆくべきかのヒントが紐解けると思っています。

ぜひお楽しみに。

球技には、インパクト系(打撃系)とスロー系(投擲系)がある

野球というスポーツには様々な球技の特性があります。

バッティングはボールをバットを使って打つ打撃系の動き

ピッチングやスローイングは、素手でボール投げる投擲系の動き

キャッチング(捕球)は、グローブ等でボールを捕る緩衝系の動き

実は、サッカーにも、テニスにも、これらの特性の異なる動きがあります。

今回は、「打撃系と投擲系」のみに限定してお話を進めます。

打撃系と投擲系では、力の伝達過程が全く異なります。

もしも、ゴルフボールを特殊な形状のクラブが許されて、
放り投げるようなショットがルール上認められていたら
ゴルフのスポーツそのものが別のものになっているでしょう。

ゴルフはルール上、バックスイングという動作をして、
インパクトと同時にボールを叩く動作です。

クラブとボールとの接触時間を長くして、
放るような動作でボールを打ち出すことはルール上禁止です。

打撃系の運動感覚ではインパクト後に力を込めるような動きは殆どありません

大きなフォロースルーを取ろうとしたり
インパクト後に減速しないように加速しながらインパクトしようとするような運動感覚は投擲系の動きに属します。

投擲系の運動感覚を用いてショットをするゴルファーは、チッピングのようなショートゲームが苦手な人が多いです。
ゴルフハックスのレッスンの実例では、
20ヤード以内のショートゲームを苦手とするゴルファーの9割以上は、
「インパクト後に減速しないように」というスイングのイメージを持っています。

ゴルフハックスのクライアントで、

チッパー、ジガーを入れているゴルファーは100%全員、
投擲系の運動感覚でスイングをしているという衝撃の事実があります。

投擲系がショートゲームを苦手とする理由

根本的な誤解があるのかもしれません。

ゴルフクラブは約350グラム〜あります。

最も軽い、ドライバーでも270グラム以上あります。

一方、ゴルフボールは45グラム以下

つまり、アイアンとボールの質量の差は7倍以上あります。

例えば、7倍の重さの鉄の塊がプラスチックのボールにぶつかるのです。

果たして、インパクト後にまで力を込める必要があるでしょうか?

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ここまでの内容をご理解いただけると、

この動画を観て、投擲系の動作感覚だとすぐにわかります

チッパーは基本的に、パターに似た形状で、重量があります。

パッティングは打撃系動作感覚の象徴

パターは近年、重量が増しているので
クラブ重みに任せて振り易く、

インパクト後に力を込める動きになりにくい形に進化してきました。

グリップが太くなってきたのもその一端です。

パッティングの握り方は実に多種多様です。

中には、極力グリップ圧をかけないよう右手と左手の位置(上下)を逆にしているパターン(型)や

まるで、ビリヤードのキューを握るような型もあります。

これらの、パッティングのグリップは全て、
「投擲系の運動感覚」
をしないようにという意図の表れです。

チッピングなど、
極ショートゲームと言える
小さく、微力なショットは、
パッティングと同じような運動感覚が求められます。

パッティングは、ストロークという脱力のスイング感覚が重要です。

長尺のパターが流行った背景には、
打撃系の運動感覚だけでパッティングしたいという、
涙ぐましい努力と工夫の産物と言えます。

インパクト以降に力を入れたくないのです。

インパクト系、打撃系運動感覚は、ボールよりも重いクラブ(バット、ラケット)で、慣性の力を効率的に使います。

このボールよりも重いことをより強調させて、

インパク時やインパクト以降に力みがないように開発されたのが、

パターやチッパーなのです。

そのため、ウェッジ類もヘッドが比較的重いものが好まれます。

理由は、慣性の力を利用してインパクトで力まないため。

ほんの一瞬ではあるが、

インパクトまでに加速完了の打撃系の運動感覚

インパクト後も加速を続ける投擲系の運動感覚

と置き換えることができる。

【イラスト】ヘッド速度推移

そして、興味深いことに
熟練者のスイング速度の推移
非熟練者のスイング速度の推移

明確な差がある。

このヘッド速度の推移はおよそ、全てのクラブで起こる。

つまり、パターからドライバーまで同じ推移をたどる。

打撃系運動感覚がゴルフの動きの重要な要素である

冒頭に書いたが、わざわざ9番アイアンと同じロフトのクラブを使わなくても、

打撃系の運動感覚を身に着けて、

小さいショットの当て感を磨くことで、

特別な一本に頼らなくても、腕前でカバーできるようになります。

打撃系の運動感覚を磨くヒントはチッピングに有り

「チップショット」とは、10ヤード以内の極めて小さなショットのことです。

ゴルフハックスのレッスンの後は、

目の前にボールが集まっています。

チップショットという、小さなショットを繰り返し行うからです。

いろいろなやり方がありますが、

ゴルファーが迷わないように、ゴルフハックスでは、

クロックスケール「8-4時」の振り幅でトレーニングをします。

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※クロックスケールに興味がある方は、
You Tubeチャンネル「ゴルフハックス」クロックスケール「基本のき」
を御覧ください。

チップショットは、初めの方の動画でもあったように打撃系の運動感覚が身についていないゴルファーには難しいドリルです。

インパクト後に力みを入れてしまうからです。

繰り返し、8-4時を行うことで、

ダンスの新しい振り付けを身につけるのと同じように、
カラダで覚えることができます。

打撃系の運動感覚を身に着けると、

①ミート率が上がります。
②ミス率が下がります。
③飛距離が伸びます。
④打球が安定します。
⑤戦略通りの球が高確率で打てるようになります。

結果、スコアが良くなります。

他にも、上達が早くなったり、
スイングが美しくなったり、
と、様々な効用があります。

是非、参考にしてみてください。

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