【実質0円大学生活のすすめ】第56回:デジタルデバイスを使いこなす(9)紙メディアはなくなるか?
これまで数回にわたり大学の共有パソコンについて考察してきました。もうすこし範囲を拡大して、パソコンに接続されている周辺機器についても利用法を解説していきます。その前に、今回は学習・研究における表現メディアの変化と研究者としての構えについても考えてみましょう。
紙メディアはなくならない?
文書のデジタル化の流れは年々加速していて、資料をPDF形式で配布したり、Kindleなどの電子書籍で本を読んだりすることは、日常生活の一部となっています。
しかしながら、依然として学習・研究活動から「紙メディア」がなくなることはありません。デジタルデータ配布のみ、というケースはほどんどないのです。デジタル版と併行して、研究結果は論文という形で「紙の冊子」にもまとめられ、うまくいけば「紙の書籍」という形でも出版されます。
このように、当分の間は紙メディアに印刷された情報はなくならないでしょう。なぜなら、メディアとしての紙はハイスペックだからです。
たとえば、知的活動の分野では、用紙の大きさはA4サイズが標準ですが、このサイズには1200字から2000字程度の文字や図版を表示することができます。そして、この「紙」は数グラムの重さしかなく、折りたたんで手のひらサイズにしてポケットにも入り、さらに電池も不要で、場合によっては数百年間または数千年間も記録が残ります。
紙メディアの驚異的なスペック
現在のITC技術で実現している、タブレットなどのデジタルメディアと比べると、驚異的なハイスペックなのです。コストパフォーマンスからみても、同じA4サイズの情報を表示するのに、数百倍から数千倍の違いがあるでしょう。
そうはいっても、デジタル化は進みます。今後しばらくはアナログ・デジタルの共存状態になるため、ものを学ぶ人はその環境を見据えつつ、バランスの取れた対応が重要になるのです。
要するに、アナログもデジタルも両者をうまくミックスさせながら、知的活動を進める必要があるということです。必要に応じて、アナログデータをデジタルに変換し、逆にデジタルデータをアナログに変換すること。
そして、そのための時間的・費用的コストを最小化する、というのが、研究者としての学生である科目等履修生の正しい構えといえますね。
今日のまとめ
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