東京コンプレックス物語

今日は先日久々に方言についてバカにされたので、方言について愚痴ろうと思います。長いです。

私は青森で生まれ育って、20代後半に埼玉県に引っ越して来ました。良いところです。
こちらの一部の人にとって、青森といえばりんご…ではなく真っ先に思い浮かぶのが「訛り」なようで、訛りについて色々と言われかなり不愉快な思いをしてきました。
越して来てから数カ所仕事を変えましたが、どの職場でも必ず一人は「方言いじり」をしてくる人がいて、特に前職が一番ひどくしつこく言われていました。
私は青森三大都市(笑)の一つの出身で、その中でも中心部で育っため、周囲の訛りはそれほどきつくありませんでした。ゆっくり話せば関東の人でも聞き取れるレベルだったと思います。
加えて私の母はかなり言葉遣いに厳しく、方言を使おうものなら「女の子がそんな言葉遣いをするんじゃない」とこっぴどく叱られていました。そんな母はめっちゃ方言でした。
そのおかげかこちらに来た時も「青森の人なのに全然訛ってないね」と言われていました。
が、どうしてもなかなか直らないのがイントネーションで、「いちご」「クマ(動物)」「包丁」など、ふとした単語のイントネーションが違うことがあります。これは今でもポロッと訛ることがあります。
さて、方言をいじってくるパターンは主に3つあって、
①「何か方言で喋ってみてよ」
②イントネーションが違うとしつこく直そうとしてくる
③純粋に馬鹿にしてくる(語尾の「だべ」とかテレビでよく見る記号だらけの字幕の事など、あとは普通に青森自体を馬鹿にする)

このうち①は帰国子女の方も言われたりするらしい失礼ワードですが、悪意レベルは低いのであまり気にしません。笑って流せます。
②はおそらく親切心もあるのでしょうが、マウント心が透けて見えるし大きなお世話でムカつきます。そしてこういう人は何故かかなりしつこくて、復唱までさせようとします。後述しますが、本人も標準語話者ではありません。
③は本当に当人の人格や育ちが悪いのだと思います。かなり不愉快レベルが高いのでイヤな顔をします。これも本人は標準語話者ではありません。

そして10数人から方言いじりを受けてきて、気付いたことがあるのです。
東京出身者が、一人も、いない。
私も田舎者コンプレックスはあるので、多少なりとも訛りが恥ずかしいという気持ちはあるんです。ただそれを指摘されても許せるのは東京の人だけだな、という変なプライドもあるのです。
実は厳密な意味での「標準語」というのは、NHKアナウンサーの話し方のことで、それに近いのが東京弁(弁で良いのか?)なのだそうです。東京でも「べらんめぇ口調」という訛りはありますが。ビートたけしとか。
方言いじりバカの大半が埼玉、千葉出身者で、それ以外も群馬や栃木、その他関東圏ですらない上に自身も訛ってる人もいました。
私は普段ヘラヘラしているのでよく軽く扱われたり見下されたりします。なので方言いじりをされる事も多かったのだと思います。
そんな私を子分か何かのように好き放題扱い、無礼なことや図々しいことをされまくり小馬鹿にされ、温厚な私の夫にすら嫌われているAさんという人がいます。ですがその人には、一度も方言について言われた事がありません。かなり距離が近い時期もあったので、Aさんの前で訛って話していたこともあるのにです。
Aさんは東京出身者でした。
これだけ無礼なのに方言いじりはしないAさんの出身について思いついてから、ああ「本当の」東京の人は地方出身者の訛りなんて気にしないのだなと思いました。
ちなみに私の夫も東京出身ですが、妹や地元の友達と電話した後は言葉が通じなくなりますw

何故訛りをバカにしてくる人は東京の人以外なのか(もちろん東京出身者でもバカにする人はすると思いますが)
ある映画を観て、一つの仮説を立てました。
その映画は数年前に流行った「翔んで埼玉」
都民に迫害される埼玉県民や千葉県民が描かれている作品です。最近続編が出ていたと思います(未視聴)
コメディというかギャグ映画なので全然真面目な感じではないのですが、私はこの作品から強めの東京コンプレックスを感じました。
無意識に自分たち埼玉・千葉県民は東京より下だと思ってるんですね。
ゆえに自分たちより下、つまり地方出身者に対して無駄に攻撃的な人種がいるのかな、と。
これは埼玉千葉以外の方言いじりバカにも言えると思います。自分は東京どころか埼玉千葉よりも下だけど青森のズーズー弁よりはマシ、みたいな。これ全部無意識でやってるので(本当にナチュラルにバカにしてくる)、やってる人はお育ちがアレか性格がアレなんだと思います。だって大多数の人はそんなことしないわけだからね。
まぁ本当のところは本人たちしか分からないのであくまで私の私見ですが、当たらずとも遠からずだと思います。
ところで私はヘラヘラして馬鹿にされることが多いのですが、それはあくまで処世術で、性格的には気が強くて粘着質で根性悪いので、いじりがしつこかったり悪質な人には普通に噛み付きます。大体顔を赤くして黙り込むか引きつった笑顔で逃げます。謝罪はありません。親の顔が見てみたい。

二度目ですが、埼玉千葉県民でも、方言なんて気にしない人の方が大多数です。むしろ気にしてる人の方がおかしいんだと思います。てか何で気になるの?私のこと好きなの?困るー私は嫌いー。

そんな田舎者の私ですが、方言で困ったエピソードがひとつ。
妹と青森の山間部で道に迷い、偶然辿り着いた警察署で道を聞いたら何を話してるのか分からなかったことがあります。年配のおまわりさんで、ニコニコと地図まで広げて懇切丁寧に教えて下さったのですが、二度ほど聞き返しても聞き取れず、唯一聞き取れたのが何度か出てきた「コメディ」という単語だけでした。
スゴスゴ警察署を出て迷子続行、たまたま入ったコンビニの若い人に聞いて事なきを得ました。「コメディ」は「コメリ」でした。
田舎民なら分かると思いますが、山の人と浜の人(海の人)はマジで方言つよつよ。

東京人と結婚した私の最近の悩み。

夫に方言が う つ っ て る

私の地元ではイトーヨーカドーの事を略して「イトヨ」と呼ぶのですが、夫もそう呼んでいました。
青森では「捨てる」を「なげる」と言うのですが、夫がこないだ「ゴミなげとくよー」と言っていました。
純粋な大都会東京民様を穢してしまったような抱く必要のない罪悪感を抱いています。

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