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「星の王子様」の星を読む(1)

水星の一日は太陽の周りを回る2周分、という目の回る説明を読んでいたら、『星の王子様』の「点灯夫」のエピソードを思い出した。こちらは反対に昼と夜が目まぐるしくやってきて、灯りを点けたり消したり忙しい。

他にもいろんな星の住人や、王子様やキツネやバラが出てくる不思議な物語。もしかして、星読み的に読めるんじゃないか?と思いついたのでやってみます。誰かもうすでにやっているかもしれないですし、途中で論理が破綻するかもしれませんが、そのときはどうかご海容ください(←最近覚えたことば)。

まずは作者サン=テグジュペリのホロスコープを見てみます。トランジットは亡くなったとされる日を入れてみました。

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1900年という時代の境目ともあって、激しいですね。星のかたまりが真っ二つに分かれて向かい合っています。

双子座1°の火星と冥王星・海王星が双子座に。水星は火星とセクスタイル、向かいにある星々ともトラインを成す。書くことへの動機や熱量がホロスコープから伝わってくる。小さい頃から詩を書いては朗読するような子どもだったそうだし、激動の時代を生きる上での理想や情熱が『人間の土地』などの作品にも書かれていますよね。『星の王子様』のイメージが強いけれど、ジャーナリストとしても活動していました。

職業としては飛行機乗りがはじめだった。空を飛びたいという想いもやはり幼い頃からあったそうで、「相当に強引な方法で」パイロットになり、航空郵便の会社に勤めることに。射手座にある木星、天王星とカイロン、ドラゴンヘッドから与えられた才能と運命があったのかもしれない。山羊座に土星があるが逆行していて太陽とオポジションにあるのも示唆的。貴族の家に生まれたが幼い頃に父と兄弟を亡くし、海軍を目指していたが夢破れた経験をしている。

ネイタルの月は出生時間がわからないので正しくないかもしれないけど、獅子座7°のサビアンは「空の星座」。愛と夢と理想を追い求め創作し続けたサン=テグジュペリの思想、そして『夜間飛行』や『星の王子様』にもつながりそうなシンボルだ。

『星の王子様』は1943年、戦時中のニューヨークで書かれたという。

その翌年の1944年7月31日、偵察に飛び立ちマルセイユ沖で消息を絶った。月は射手座に、太陽は冥王星とコンジャンクション。壮大な夢はどこまで描けていたのだろうか、肉体は海に散って行った。

つづく(次から物語のほうへ)

※参考:Wikipedia, 『星の王子さま』(池澤夏樹 訳,あとがき)

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