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12ヒーラーズと歩く12の軌道(5)〜クレマチスと蟹座

バッチフラワーレメディを携えて歩くホロスコープの旅。
すっかり間があいてしまいましたが、第五の軌道は、蟹座へ。

クレマチス、ふわふわ夢見がち。
『マギ』から始まり『家守綺譚』に『アムリタ』...
物語の世界からなかなか帰ってこれないのか、まさにそんな状態の日々。
お風呂に入っていたら急に、ザ・ブルーハーツ『情熱の薔薇』が頭の中に浮かんできて、歌い出す...

「心のずっと奥の方」にある「情熱の真っ赤な薔薇」

は、まるで私の蟹座の火星みたいだなぁと思った。
いやぁ今聞くと、沁みるなぁ。

蟹座の支配星は月、心と身体、感情も表すので、この軌道とレメディはかなり肝になるんじゃなかろうか。
書き切れるのかちょっと不安だけれど、始めたからには少しずつでも進めていこう。

蟹座の軌道 クレマチス ∞ インパチェンス ∞ マスタード

蟹座

クレマチスのマイナス指標は、「無関心、夢見がち、ぞんざい、人事不省」(『バッチ・フラワーレメディーの占星学』)だけど、
それと「情熱」とは対極にあるような言葉だ。いや、どっちかな...

園芸種のクレマチスは、どれがスタンダードなのかもはやわからないほどさまざまな色や形が存在します。
それこそ真っ赤なものもあれば、夢見がちという言葉が似合う白や薄紫色も。
私がイメージしていた園芸種のクレマチスは大きな花びらが特徴だけど、
野に咲くクレマチスは白く細い花びらがたくさん集まった花を無数に咲かせる。
お世話になったフランスのChateau des Alluesの庭にあったその小さな白いクレマチスは6月の終わりに咲いていたはず。
厳密には違う種類なのかもしれないけど日本にも実は自生していて、秋頃に山道の崖一面を覆っているのがそれだったことに気づきとても驚きました。
運転中に、思わず見惚れてしまいそうになって危ない危ない。
それからなんと、家のすぐ横の田んぼの土手にも生えていることがわかり、庭に移し替えました。
まぁ、花が咲いていない姿はよく見かける雑草かもしれなくて、蔓延りすぎないように気をつけなくちゃならないけど...

クレマチスとインパチェンスは「レスキューレメディ」にも入っています。
私は蟹座に火星があり、さらに火星期なので、必要なレメディなのかなぁと気になりつつも、個人の「メンテナンスレメディ」には含まれないのでレスキューレメディで代用しているような感じです。
「レスキューレメディ」は単独のものとして扱うというのが定説なのですが、どの感情かはっきりしない時など「兎にも角にもレスキュー」という使い方もあるようで。

その「レスキュー」に蟹座のクレマチスとインパチェンス(牡羊座のコミュニケーションフラワーでもある)が含まれていることは「心身」に関わる問題に「月」がどれだけ影響するのか、バッチ博士が鋭く感じ取っていたことがわかるような気がします。
「レスキュー」を占星学的に見るのもおもしろそうだけれど、長くなりそうなのでまた別のところで(書けるのかわかりませんが)。


さて、そんな蟹座に天体を持っているということは一体どういうことなんだろうか?
どのサインにもプラス面もマイナス面もあれば、私の場合はインターセプトだから気づきにくかったりして。
年齢域やアスペクトの影響もなくないだろう。
『バッチフラワーニューセラピー』の著者ディートマーは、MCとドラゴンヘッドも考慮しているとのことで、そこまでやり切るには多分全てのレメディを”体験”して”実感”してみる必要があるんじゃなかろうか。

蟹座の火星についていえば、伝統占星術では「フォール(下降)」とされる位置で、
ともすればマイナス面が出やすいのかもしれません。
その火星もきっとマイナス面だけではなくって、
内的活動は盛んだとしても具体的に行動するのが苦手だとか、
弱いものを守ろうとする心はあるけれど、自分も殻を破るのが怖いとか、
表裏一体の性質があって、自分というものや内と外ということを知っていくことができる。
それは、プライベートと社会との顔を使い分けてみたり、本音と建前になってみたり、火星は違和感を感じ取る天体でもあるゆえ、割り切れないとしたらとてもやりにくかったりします。

「クレマチス」の項目を読んでいたら、ここ最近の学びの効果もあって、
現実に立ち向かおうとしていないだけ、というのを痛いほど見させられています。
またずぶずぶと水サインの中に溺れていきそうです...


蟹座のコミュニケーションフラワー クレマチス

クレマチスの「夢見がち」という指標は、最初見た時まったくピンと来ず、
それの何がいけないんだろうかと思ってしまいました。
だけど蟹座に火星を持つ私は、その夢を例えば原動力にして動く熱意を持てたり、それをマイナス指標とすることになんらかの反応があってもいいはずなのだ。
それがない、ということはすでにクレマチスの病にどっぷり浸かっていたのかもしれず。
時を経てやっと、この軌道をプラスに働かせたい、と考えるようになってきました。

そもそもネガティブな面ばかり目を向けてしまいがちなのは、
父親が蟹座だということと、そんな父親を嫌悪している自分が、
蟹座に火星を持っているからなのかもしれなくて、
ポジティブな例も見ないと、意見が偏ってしまうんじゃないかと思うのです。
疑り深すぎて、バッチフラワーレメディも、なんでマイナスからばかり見ていくんだろう?プラスがわからなきゃそっちに行けないよねぇ?
なんて、浅はかに考えてしまうのですが、まず一旦受け入れてそれから考える、
ということが建設的なクレマチス/蟹座はできるんじゃなかろうか。
世の中理不尽なことばかりと感じられる時もあろうけれど、
そういう風に受けとめることもできるのか、って考え方は、
生きる基盤になってくれそうだ。

文字通り心の師(と私が勝手に仰いでいる)心理学者であられた河合隼雄さんもまた、太陽蟹座の人です。
以前読んだ著作を読み返したり、新たに神話やユング心理学関連を購入してみたり、心と星読みとのコンステレーションをもっと繋げて行きたいところです。

ところで、マイナス指標と向き合ってみたくてもなかなかピンとこなかったのも、クレマチス状態に浸かりすぎているからなのだろうか...

・白昼夢をみる 心ここにあらず なんだか眠っているような印象
・「粗野な」現実から、すべてがより美しく調和で満たされているように映る夢の世界に逃れます。
・思考は常に一番重要な事柄から遊離しているので、仕事でも集中していないことが多く、注意がすぐ別の方へ逸れてしまいます。
・自らの内面の世界を満喫したいので、できれば社会から離れていたいとさえ思っているでしょう。
・思考のなかに沈潜していることが多く、そのようなときは、リアルな物事ではなく、ファンタジーや自分が望んでいる未来を思い描いている
・自分の周りに起こっている多くのことを、私は認識していないようだ
・人生に積極的に参加していない
『バッチフラワー ニューセラピーⅠ 12の軌道』より


そうそう、人生に積極的に参加していなかったと思って、また後悔しようとしている。白昼夢から目覚めようとするのは怖いけれど、少しずつ。

蟹座のコンペンゼーションフラワー インパチェンス

感情は波打つもの、変化するもの。
長いこと浸っていた夢から醒めると未処理の現実が迫っていて、
早くどうにかしなきゃと慌ててしまうインパチェンスの状態に陥る。

もう一度ファンタジーの世界に浸ることができるように、できるだけ早く仕事を済ませたいという必要性から、急いで仕事をする態度を補償するような状態
(『バッチフラワーニューセラピーⅠ 12の軌道』より)

そうか、補償の仕方はそういう仕組みになっているのか。
最近はあえてどうにかしようとしないことに力を入れているけれど、
そもそも何もできていない自分に絶望しそうになる。

感情の海で凪と嵐を繰り返しながら漂っているだけ。
だけど下手に泳ごうと思っても溺れてしまいそうなんだったら、今は流れに身を任せることを学ぶ時期なのだとも思う。

感情のコントロールが苦手な人は、物理的にも泳ぐのが苦手ということもあるのだろうか...

それでも、勇気を出さなくてはいけない時もある。


ディコンペンゼーションフラワー マスタード

繰り返しやってくる理由もない悲しみ、メランコリー、無気力、機嫌の悪さ、うつ状態...

その状態になっている時って本当に何もできなくて、ただただ浸っているものだ。
レメディを飲んでみようとさえ思わないかもしれないくらいに...

蟹座に月を持っている友人と、そんな状態があることを共有できて少し救われた。
それにしてもなんなんだろうこれは。
みんながそんな気持ちを経験したことがあるものなのだろうか。

・粗雑な現実とほっとできる夢の世界の間にある格差は、時間が経つに連れて際立っていく
・曖昧で定義することのできない喪失感。夢の世界から遠のくほど強まる
・内面の空虚感。自分の心のそこにある、本当の喜びの源泉への通路が塞がれているということに対する警告
(『バッチフラワーニューセラピーⅠ 12の軌道』より)


と、蟹座のテーマにフォーカスしていると、家族というものから受けている影響と、今もある抑圧とに、感情が激しく波立ってきてしまいそうで怖くなる。
蟹座というものに向き合いきれない何かがある。
おそらく1回目はさらっと読んでいたのであろう『占星術と神々の物語 ホロスコープの中の元型』から、もう一度このサインと向き合ってみる。

蟹座に関する神話と歴史は、混乱と矛盾以外の何者でもない。

と、いきなりこんな文章から始まる訳なので、気にしていないときはサラリと流すしかなくなる。
でもそういう時期が来れば、どんなコンステレーションでも手がかりになっていくものです。

古代エジプトの蟹座は「スカラベ」や「ケプリ神」と関連する。
本の中ではそのまま夏至の話に展開していくのですが、
ちょっと気になったのでこの神様のことを。

スカラベが象徴するのは太陽の三形態のうち「朝」の姿。
天体を転がすかのように見えることから太陽の運行を司ると考えられたからだとか。
その球(フン)の中から生まれることから、再生と生命力の象徴とされたとも。
お土産屋さんでよく見かけるスカラベの置物は実は「ハート・スカラベ」という死者の心臓の上に置かれた護符だったとか。

「心」を護るんだとしたら、蟹座が感情や優しさに結び付けられていくのもわかってくるような気がする。

ギリシャ神話ではもっと雑に(いやもしかして本当は深いのかもしれないけど)描かれていて、登場するや否やヘラクレスに踏み潰されてしまうという役どころ。
ヒュドラを助けようとする仲間意識とか優しさだなんて例えられるけど、無理があるように感じられて仕方ない。
個人的に、絞め殺された獅子座ですから、ヘラクレスは好きじゃない...
なんだけど、そうか。
この蟹座〜獅子座の場所で、個人や自我の領域に他者が深く関与してくることを示唆しているのかもしれません。

夏至という、太陽が最も長い時間地上を支配する日でありながら、徐々にまた夜に時間を譲っていく切り替わりの始まりの日が、蟹座なのです。
蟹座の支配星は月。
12サインのルーラーシップは、蟹座の月と獅子座の太陽が並んだところから両側に向かって、水星→金星→火星→木星→土星と展開していき、まるで太陽と月の結婚から子どもが次々と生まれて円環を作っていくようなイメージです。

月の軌道もまた円環に例えられ、双子座の時に月は一番遠くに小さく見える「遠地点」となる。
蟹座は太陽の時間における夏至でもあり、月が「遠地点」から「近地点」に降っていく折り返し地点にもあたる。

わりかし複雑そうな蟹座...蟹座が母性や感情の海というものを表すのであれば、火星がそこから飛び出すのに苦労するのも頷ける。
火が消えない程度に潜っていくことも一案。
とりあえずは本に書かれていた象徴をそのままメモっておこうか。
消化するのはゆっくりでいい。


・自意識が普遍的な意識に向けてその旅を開始するように、太陽神は地下世界への旅を始める。
・西半球、すなわち「他者」との関係を意味する領域での最初の経験の段階を示す。
・感情的にも人間関係に依存する。あるいは母のように世話をしてあげられる誰か、あるいは世話をしてくれる誰かを必要とする。
・男性的自我意識がその限界に達して、何かより偉大なものによって吸収され始めるのは、集合的原理ないしは女性原理との結合を通してである。
・広大な宇宙の力の流入を特に受けやすい
・気分の変わりやすさ
・他者との結合の過程を通して愛情を始める必要がある
・しばしば個人のアイデンティティを喪失してしまう
・誰のか何なのかわからないまま他者の情動を持ち歩く
・予想もつかない気まぐれ、ないしは自分自身の目的から完全に離れてしまう
・自分の重力の中心を失うので、最も不安定な場所にいるという結果になる
・どんなものとも距離を置くことに非常に苦しい思いをする
・チャートの底=主観性がもっとも強い場所、主観的な宇宙の中心にいるため、ただ出会ったものについて客観的でいることが困難
・外部にある全てのものが、可能性として蟹座の内的次元に極端な形で影響を及ぼす
・自分自身の個性化への欲求があまりにも抑圧されているため、憎しみと激しい怒りに駆り立てられる。そのため、自責の念にかられた窮地に陥ることになる。
・家族、個人のルーツ、養育的な親、感情、環境への感受性、夢中になること
・安全を提供する場所を常に探そうとする欲求。
・人生における探求が「真の家」を見つけることになっている
・必要とされていると感じることを必要としている

…思ったよりも深くて、頼りない火星の火が消えてしまいそう。
たとえば蟹の甲羅の如く脱皮を繰り返すようにして一つひとつ、
処理していかないとあと5年弱の火星期がカオスのまま終わってしまう。
もうすぐ太陽が魚座に入る今はなおのこと、境界線が曖昧になってきているから。

そうそう、このタイミングで「ウォルナット」のレメディを購入しました。
この軌道のアウターフラワーに合っていそうだなぁと思ったのですが、
さらに、その先にまた新たなサイクルを迎える魚座の季節にも必要なレメディかもしれません。

ウォルナットは「古きを打破するためのフラワーエッセンス」だと言います。
過去を引きずったり未来を恐れたり、過渡的な変化の段階をサポートしてくれる。

巨蟹宮の影響を受けて、より進化した人は、打ち消すと決意すれば過去の傷が癒せることをついに悟ります。(『バッチ・フラワーレメディの占星学』より)


魚座の新月の頃には、2年ぶりに火星と冥王星がコンジャンクションします。
2年前のその時には個人的にものすごく大きな衝撃があり、
今回は何もありませんようにと願ってしまうくらい...
ウォルナットやメンテナンスレメディーでしっかりとプロテクトしていきたいと思います。
同時に、そろそろ変容の仕上げを求められる時。
長すぎた白昼夢から醒めるのは怖いけれど、
同時に自分を解放してあげてもいいんじゃないか。
心のずっと奥の方にある答えを見つけたい。

『情熱の薔薇』

永遠なのか本当か
時の流れは続くのか
いつまで経っても変わらない
そんなもの あるだろうか

見てきたものや聞いたこと
今まで覚えた全部
デタラメだったらおもしろい
そんな気持ちわかるでしょう

答えはきっと奥の方
心のずっと奥の方
涙はそこからやってくる
心のずっと奥の方


なるべく小さな幸せと 
なるべく小さな不幸せ
なるべくいっぱい集めよう
そんな気持ちわかるでしょう

答えはきっと奥の方
心のずっと奥の方
涙はそこからやってくる
心のずっと奥の方


情熱の真っ赤な薔薇を
胸に咲かせよう
花瓶に水をあげましょう
心のずっと奥の方

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