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本とNetflixときどき星読み〜『神々の山嶺』

物語と現実が入り乱れる日々…
福井旅で訪れた「晴明神社」と「暦会館」から始まり、
ついうっかり、夢枕獏の『陰陽師』シリーズに手を出してしまった。
破格で手にした3冊を読み切ってしまったから、古本屋に行ってみる。
残念ながら同シリーズは見つからず、
でも同じ著者のあの本が目に入ってしまった。


ちょうどヒマラヤを登るNetflixの番組を見てしまっていたものだから、半ば無意識に本を買ってしまっていた。

「シェルパ」はヒマラヤ登山を請け負う荷運びの呼び名として使われているけれど、元々はネパールのある山岳民族の苗字に当たるものだそう。
ラクパ(「火曜日生まれ」の意味がある)・シェルパはその名の通り、シェルパ一族に生まれた女性である。
高地に強く体力もある民族ではあるが、女性の役割とは家事や農業をしながら家を守ること。
外国人登山客のための荷運びという仕事はもちろん、自ら山に登るなんてもってのほか…それでも時代は少しずつ変わってきていて、その追い風も受けながら、ラクパは母なる山・チョモランマに登り続けている。
世界一多く、エベレストに登頂した女性の、栄光と苦悩の物語。

2019年、登山界の歴史を覆す前人未踏、無謀とも思えるプロジェクトを自ら「プロジェクト・ポッシブル」と名付け、やってのけた男がいた。
この人もネパール人。ニルマル(ニムス)・プルジャ、当時36歳。
8,000m超えの山々14峰を7ヶ月で全制覇する、というもの。
塗り替えられる前の記録というのは、イタリア人登山家ラインホルト・メスナーの14峰無酸素登頂というので、1970~86、足掛け17年に及ぶ。
17年が7ヶ月に…とはいえ、衣類や道具の進化という要因もあれば、あくまでスピード重視のニムスは4人程度のパーティを組み、酸素が必要な時は使うという“ハイブリッド方式”を採用していたりするから、単純にどちらがすごいかって評価や比較できない部分も多くあるのだけど、欧米人の専売特許のようになっていたヒマラヤ登山の記録を塗り替えることで、地元の人々が自らのアイデンティティを取り戻し自信を持つことに繋がっていくなら、そこにはとても大きな意義があったのだろう。
何はともあれ、無事にプロジェクト完遂したからよかった。


なんで急にヒマラヤ登山が気になり出したのか、その布石は2022年末に置かれていた。
何気なく手に取った本にどっぷりはまり、年末年始をかけて読み通してさらに関連するホロスコープまで読みまくっていた。

この記事では本の中や過去の出来事に触れることに終始したけど、本を読み始めたあろう日付のホロスコープを改めて見てみたなら、木星が牡羊座に入った時期だった。さらにピンポイントで牡羊座の月が山羊座の太陽とスクエア。
登山の象徴的な山羊座の後半度数では、水星・金星、ちょっとオーブはあるけど冥王星もコンジャンクション。
で、これが2024年8月につながる引き金だったのは実は、双子座の火星だったのかも?
現在(と言ってもようやく記事が書き終わる頃には火星が追い抜いてるけど)、木星と火星が双子座でコンジャンクション。
『空へ』は3日くらいかけてやっと読み終わったけど、上下巻ある『神々の山嶺』は一日で読み終えてしまった。
『空へ』を読んでた下地があったからかもしれないし、前段階で観ていたNetflixの影響もも大いにあったんだろう。

『神々〜』はフィクションなんだけど、ジョージ・マロリーやら実在の人物とそれにまつわる逸話が伏線になっていて、どこまでが事実でどこからが物語なのか、時々わからなくなってた。
というかそもそも私の読書の姿勢自体が虚構と現実をごちゃ混ぜにしてるなぁと思う。

この部分は完全なるフィクションだと思うけれども、『神々〜』には元グルカ兵だったという人物が登場し、主人公らの危機を助けてくれるのだ。
普通だったら「ありえないでしょ」というだけのエピソードなんだけど、ネパールという国を知っていくうえで、あながち無視できない設定だったと、”14peaks: Nothing is impossible “を観てたことが大事な伏線になっていた。
7ヶ月で8000m峰を制覇するという並外れた力を発揮したニルマル・プルジャも、元グルカ兵なのだ。
高地育ちで足腰が強靭なことに加え、地の利を活かした特殊な訓練を重ねた地上最強と言われる兵士たち。
ネパールの一部の人々にとってそこに加わることは名誉でもあり、その報酬が家族を支えている場合も少なくない。
ニムスの場合も例外ではなく、さらにネパールでは末っ子が親の面倒をみるという伝統もある中で、その役割を投げ打っての「プロジェクト・ポッシブル」だった。
ただただ感嘆するばかりだけど、こうなってくるとニムスのホロスコープが気になってくる。

なんと、獅子座だった!
太陽が、私のネイタルのドラゴンヘッドにコンジャンクションで、土星は私のネイタルASCにぴたり。
今年の私のソラリタチャートASCにも、土星がぴったり乗っかっているので、
ソラリタあたりから見始めたのも因縁だな…
進行/経過図を「プロジェクト・ポッシブル」の年のお誕生日にして見てみたらば、月の正確な位置はわからないけれども、ホールサインで見た時の10ハウスにあるってことは、まさに何かを成し遂げたい!っていう時期だったのだ。
映画ではもちろん描き切れない背景がたくさんあったんだと思うのだけど、プロジェクトを成し遂げた翌年、ニムスの母が亡くなった。
兵役を辞めて登山にかける想いを、母親はどんな気持ちで受けとめていたのだろう。
それが母の寿命を縮めたかもしれないと、思わせるようなこともあったかもしれないけれど、もしかしたら逆だったのかもしれない。
無意識なのか母との別れを感じ取っていたから、
冥王星がネイタルの月に追いつく前に、
何かを成し遂げようという衝動に駆られたのかもしれない。

「欧米の登山家だったらこの100倍は注目を集めていただろう」
ニムス自身がそう語っていたけれど、決してそんなことはないと思う。
私感でしかないけど、ネパールの人がそれを成し遂げたことの意義のほうが100倍価値があるんじゃないか。
同じくネパール人のシェルパたちとの協力関係も強い味方だろうな。
その能力や経験を生かして、現在は山岳ガイドや撮影のアシスト業をしているようだ。


さてさて、書き出したはいいけどどうまとめようかいつも悩むところ…
わたし自身の現在とあまりにかけ離れているものだから、いったいこの読書体験を何にどう活かしたらいいのか?
極限状態に身を置かなくても、大きな使命を抱かなくても、少なくとも誰にでも平等に訪れる「死」というものを認識し直すことで、もう少しマシな人生を生きようと、思い直すことができるんじゃないか。
冥王星がネイタルICのとこを抜けて行くまで、まだまだこんなダークモードなのだろうか私。


読書もほどほどに?

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