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ねこがいる。

飼っている猫のイチロー(15歳)の体調に一喜一憂のまいにち。
今年の3月頃から体調がわるくなりはじめ、動物病院を2件はしご。「腸炎」との診断。3月に4.5kgあった体重はみるみるちいさくなり、今は2.8kg。
息子が2900gで生まれたのだけど、おなじくらい。背中の骨なんかも、さわるとごつごつしている。

何度も「ああ、もうだめだ・・」と思う日があり、そのたびに涙をし、最後の別れになるな。と思うと走馬灯のように、子猫のときから今までのおぼえていることがつぎつぎと頭の中にやってきては、夫と小6の息子とわたしで、おんおん泣く。
先日は、10日間にわたる入院から退院した日の翌日。急変なのか、ぐったりしてまたしても食べない。飲まない。呼吸だってなんだかおかしい。
退院した日は、とても元気でひさしぶりの我が家を満喫しているようだったのに。入院させたことを後悔し、でも最後は我が家でみんなに見送られるようにがんばったのだな。と思うと、よけいになんだか思いがこみあげてきて、それはおんおんとしくしくと、3人で泣いた夜。
いつもは夜寝るときは一緒に寝ないのだけど、きょうは一緒に寝ようか。とかるくなったイチローを抱っこして、わたしの横に寝かせる。
身体をなでながら、そんなにつらいのならもういいのだよ、という気持ちで、ありがとうね、ありがとうね。とつぶやきながら、今日は寝ないぞわたしは。と思っていたけれど、いつのまにやら寝てしまった。

翌朝。早朝5時台。
にゃーという声!
とっさに「生きてるんかーい」と家族全員が思った。
目の前に、口から鯛のにおいをさせたイチローが「ゴハンモットクレ」という感じで、鳴いている。
起きてみると、イチローのエサのお皿はからっぽ。昨晩、なにも食べないイチローに、これなら食べるかな?と好物の焼いた鯛をほぐしたものをいれておいたのだった。
食べてた。完食だった。
きのうの、あのぐったりした感じはなんだったんだ・・死んだのかとおもった。いや、よかった。よかったよかった。よかったんですけども。

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と、笑い話になるといいのだけど、体調がいい日と悪い日が交互にやってきて、そのたびにわたしたちは、やっぱり一喜一憂。
そして筋力もなくなってきて、ジャンプに失敗したり、足の関節もなんだか反対のほうに曲がっていたりする。一気に、一気に年をとった。
でも、いちいち感傷的になるのは、なんだかそれも自分勝手な気がして、そうやって衰えていくのだな。というのを、しっかりとみるのだ。という気持ちになっている。

わたしも年をとる。夫も年をとる。息子も年をとる。
親だって年をとる。みんな年をとる。

いまを大切に。という、よくある言葉をいうのは、なんだか感傷的でいやなんだけど、でも、みんなが生きてる今は、とてもしあわせなんだな。と、思った。

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