おせちにまるわる種々

1.おせちの残り物と煩悩

毎年、お正月後半はおせちの残り物のことで頭が忙しい。
常に多く作りすぎるので、余る。
「あれを食べて、次にあれを食べて…」
飽食の浅ましさを覚えつつ、しかし捨てることは以ての外なので、食べる。
というか、片付ける。
精神的姿勢として良くない。
微妙である。

今年は少なめに作ったのだが、生憎、食べさせたい人が来られなかったりして、またしても余らせてしまった。
正月料理は美味しいので、「これ、通年食べたっていいんだよな」と毎年思うのだが、経験的にそういうことにはならない。
伊達巻も田作りも昆布巻きもきんとんも、お正月だけである。
よくよく考えると、これらのものは〈お正月に〉〈一年ぶりに〉頂くから格別に美味しいのであって、普段の食事にはあまり適していない。
田作りは通年、酒の肴にはなるだろうが…

傷んで捨てることになるのは避けたいが、片付けるように胃袋に放り込むのも品位に欠けること。
順序立てて、一つも無駄にならないように頂くには…
と、意外とこんなことで頭が忙しくなる。

2.おじじレシピ
伊達巻を自分で作るというと非常に驚かれるのだが、実はおせちの中で一番簡単に出来る。
勿論、ミキサーとオーブンがあれば、の話だが。
機械がないと本当に何も出来ない。
伊達巻の材料は、卵、はんぺん、味醂、砂糖、塩、である。
あ、それと道具としては鬼すだれが欠かせない。
これがないと伊達巻かれずになってしまう。

さて、はんぺんなのだが、普通に出回っているものには膨大な添加物が使用されており、とてもではないが食べる気にならない。
かと言って、鰯(いわし)のはんぺんは鰯臭すぎるし、色も黒いので使えない。
ある年、私は思いついた。
「ひょっとして、ちくわで代用できるのではないか?」
結論:これが完全に代用可能なのである。

ちくわは自然食品店で簡単に手に入る。
「今日こそあるか?」「そもそも仕入れているのか?」などと、はんぺんのように賭けに出なくて良い。
ちくわでおせちを作っている人なんて、日本に一体どれくらいいるだろう?
これを聞いた皆様は幸運ですよ。
次のお正月には是非伊達巻をご自分で作ってみて下さい。

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