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村上仁美×森天飛二人展《焔の寓話》

5/2〜5/11の期間、初台の画廊珈琲Zaroffで開催されました二人展が無事にクローズしました。
お越しくださったみなさま、作品を迎えてくださったみなさまに厚く御礼申し上げます。
ご多忙であったり、遠方にお住まいであったり、体調の優れない中で気にかけてくださったみなさまに私にとってどんな展覧会であったかをここでご報告させてください◎

森さんとはここ2,3年で友人として仲良くさせていただいてますが、作家としてはそれ以前からよく知る存在でした。表現方法は違いますが共通するモチーフが多く、同時代性の強い作家という認識です。
仲良くなる以前から展示でご一緒する機会があれば嬉しいな〜と思うことがありました。
それが今回叶ったことがまず嬉しく、時期もベストだったと思います。

以前ここnoteにも書いた通り、去年末から体調が優れずそれはこの二人展の準備期間においてもそうでした。迷子のような気分から抜け出せずにいたのですが、あの森天飛の作品群と並ぶのだぞ…!と思えばそれが道標になり作品を形にすることができました。彼女の美意識と、その信頼できる作品群が引き上げてくれた部分が大きかったです。
他の人とのグループ展や、ましてやひとりで行う個展ではこういった力は働かなかっただろうと思っています。

はじめにザロフさんから陰翳礼讃をテーマにしてみては、という提案がありました。
その後、影があるということは光があるよね…という話から発展して、普段私が焼き物を通じて火に感じていることを話しましたが、森さんはその話の中で『炎は浄化だ』という言葉からインスピレーションを広げてくれました。
粘土には微生物がたくさん棲んでいて、再生を経ていると手垢なんかもたくさん混じっています。でも1200度を超える火は全てを焼ききりまっさらにします。炎がもたらす変容と浄化を、人の情念・輪廻に重ねて描いてくれましたが、そのインプットとアウトプットの妙に魅了されました。
詳細はぜひ森天飛さんのSNSページなどでも見ていただきたいのですが、実際に額装のマット部分を炙って煤を利用していたりします。こんなエレメントの強い絵ってある…!?!?

非常に好評を得たものの一つに、私が作ったグラスをモチーフに描かれた森さんの絵がありました。

何か二人展のコラボレーションとして絵にできるものはないかと声をかけてもらったので学生時代に作ったワイングラスをお貸ししました。
葉脈や血管のような、なにかしら生ているもののディテールを施したグラスでしたが、構図によって心臓に見えてくるようで…
私は今回心臓がモチーフのものが多かったのですが、示し合わせずして関連が生まれている作品に感動してしまいました。
こんな光栄なことは滅多に起こり得ないことで、思い出深い作品になりました。

私にとっては半年以上ぶりの展示と在廊でしたが、この世界を愛してくれる方々とたくさんお話しできたことで改めて勇気づけられました。人前ではつい明るく朗らかなペルソナを纏ってしまうのですが、会期中は労りの心が伝わってくる場面も多く泣いてしまいそうでした。実際泣いてる時ありました。笑

今回の展示を通じていろんな人から大丈夫だと背中をおしてもらえたように思います。
SNSに投稿される感想には、いつも全てに励まされています。あの空間を惜しんでくださってありがとうございました。
本当はこの二人展で実現したいことがもう少しあったのです…!
なので、また良い巡り合わせがある時に実現したいです。その時はぜひ、また二人のサロンにお越しくだされば幸いです。

凍結状態であった作品集の出版記念展は来年1月にGINZA SIX蔦屋さんで仕切り直せることが決まりました。ゆっくりの取り組みにはなると思いますが、きっともう大丈夫です。私の作品の詳細などは、これからゆっくりオンラインに掲載していこうと思っています。お楽しみにお待ちください。
そして改めましてご高覧ありがとうございました!









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