運動不足の私が「全集中の呼吸」で260段を登り切った話
運動不足の私が260段の階段を登り切った経験から、子どもたちと呼吸を合わせることでお互いに分かり合えると感じた話です。
私は面倒くさい、しんどいと感じるとすぐ諦めてしまいます。
保育士を辞めてからは体を動かすことが少なくなり、在宅で仕事をしているので、常に運動不足状態です。
少し階段を上っただけで息があがり、心臓がバクバクします。
今回260段以上も階段があるといわれている神社を参拝すると聞いた時、やめておこうと思いました。
遅れると人に迷惑をかけるとか足を引っ張るとか、そんなことを思っていましたが、一番の理由はしんどいことはやりたくなかったからです。
どうして熊本を訪れ、260段登ることになったのか。
仕事で事務局兼ドライバーとしてツアーに参加することになったから。
参加者側であれば、おそらく辞退していたでしょう。
仕事なので「登りません」とは言い出せず。
大風穴を見てみたい気持ちもあって登ろうと決心しました。
いよいよ登ることに
鳥居をくぐり、歩き始めると長い階段の列が目の前に現れました。
「これ、登りきれるかな」と不安になりましたが、最後尾で皆さんについて行くことにしました。
ところが、20段ほど登った時点で息が上がり、足が重たくなりました。
この10倍の階段が残っているのかと思うと、やっぱりやめようかなという思いが頭をよぎりました。
やめると言い出すポイントは1か所のみ。
お手水とトイレがある場所。
やめるなら「今だ!」と思いましたが、言い出せませんでした。
やめる機会を失った私は腹をくくることにしました。
せっかく来たのだから、大風穴から見る美しい景色を眺めようと。
登るしかない
自分一人では最後まで登りきるのは難しいと思ったので、先をいく参加者の皆さんを見上げてみました。
すると、お一人だけ息も上がらず、マイペースに登っていく方がいました。仮にKさんと呼びます。
Kさんの後ろにぴったりとつきました。
そこでふと思い出したのが、今、映画も公開されて大人気の「鬼滅の刃」です。
その中で「全集中〇〇の呼吸」というセリフがあるのですが、これを使おうと思いました。
心の中で
「全集中、Kさんの呼吸」
とつぶやき、実際に Kさんの呼吸を感じながら登り始めました。
不思議なことに呼吸が整い、足取りも軽くなってきました。
歩幅や速度もKさんに同調していくのを感じました。
さっきまで苦しくて景色を見る余裕もなかったのに、Kさんと一緒に木々の間からこぼれ落ちる太陽の光を感じたり、心地よい風を感じたり。
おかげさまでなんとか本殿まで登れました。
本殿にたどり着いて
「Kさんのおかげでここまで来ることができました。Kさんの呼吸に合わせることで、とても楽になったんです。ありがとうございます。」
と伝えました。
すると K さんから驚きの言葉が帰ってきたのです。
「私もオサさんが後ろを歩いてくれることで、後押ししてくれているような、見守ってもらっているような気持ちがしていました。おかげでここまで登ることができました。」
私だけが助けてもらっていると思ったら、お互いに助け合っていたようです。
「呼吸(息)を合わせる」という言葉は聞きますが、実際に呼吸を合わせる行動で心が合わさっていくのだと思いました。
子育ても同じ
子育てや保育をする上で「子どもたちの目線に立ちましょう」と言われます。
物理的に目線を合わせることも含みますし、心も子どもたちに合わせましょうという意味もあります。
今回の経験を通じて
「呼吸を合わせる」のも物理的に呼吸を合わせてみると、自然と子どもたちの心や気持ちを感じられると思ったのです。
ポイントとは「全集中」
何かをしながらではなく、目の前にいる子どもに全集中。
そして呼吸を合わせてみる。
呼吸と鼓動が同調してくると、お互いに伝えたいことを素直に伝えられたり、言葉ではなくても伝わることが出てきます。
イライラしたとき、そんな余裕はないかもしれませんが、少し意識してみてくださいね。
子どもに「全集中」する方法は別記事でUPします。
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