色は即ち是れ空なり 空は即ち是れ色なり
文章を書く、ということの一番古い記憶は、小学一年生のときの読書感想文である。
何を書いたのかはさっぱり記憶にない。あの文章がどこに行ってしまったのかもわからない。
ただ、県の読書感想文コンクール金賞という賞状と授業のあと居残りをして担任の先生と文章をブラッシュアップしていた記憶がある。
しかも楽しい記憶ではなくて、何で私だけこんなことしてるのか、どこをどう直したら良いのか、という戸惑う気持ちを覚えている。
一方で、何が降りてきたように物語を作り上げていた記憶もある。
当然、途中の記憶はなく、出来上がった成果物を見て自分自身が驚くこともあった。
7歳までは神の子とはよく言われるが、まさに神懸かり的な集中力で文章を書いていたのだと思う。
今はもちろんそんな力はなく、後天的に身に付けた知識やテクニックをこねくり回して文章を書いている。
かといって、専門的な物書きの教育を受けたわけでもない。
それでも、日々の生活でふと降りてくるアイデアを書き留めておきたいと思う。
こうして書き留めておけば、ぼんやりとした形のない何かに色をつけられるのではないかと思ったからだ。
この世界は空である。
私の意識というどこにあるのかわからない何かが感じることで存在を確認できる不確かなものだ。
不確かなものに色をつけて、私以外の人に伝える作業をマイペースにはじめてみようと思う。
そこにまた、共感とか繋がりといった不確かな何かが生まれれば本望である。
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