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【にじさんじイメージソングアルバム / 制作のお話 6】M6.涙の足跡(樋口楓イメージソング)

前回の続き、アルバム楽曲紹介の6曲目です。今回はでろーんのイメージソングについて。

曲順について

アルバム全体の曲順については初回でも少し触れているんですが、その指針になったのが「涙の足跡」なので改めて。

アルバムの構成(曲順・曲調)は「もしこのアルバムをセットリストとしてライブをしたら」というのをイメージしています。会場は夏の野外ステージを想定していて、一曲目が朝スタートで後の曲になるほど日が暮れて行きます。

そうなると何か野外ならではの演出ができないかなと思って、時間経過による天然の照明に思い至りました。
その中でも一番特徴的なのは夕方のオレンジ、オレンジと言えばでろーん!ということで、でろーんが6曲目辺りというのが決まり、そこから誰が朝っぽいかなとか考えながら、バランスを見て他の曲も決まっていきました。

初めに何か決まりごとを作って、全部がそれに向かうように意識すると作品としてまとめやすいので、アルバムを作るときは特にこういうことを考えます。

加えて今回は各ライバーの関係性も意識しながら、誰の後に誰が歌うか、そうすることで舞台裏で何が起こるか、みたいなことも想像しながら組みました。自分で刺さり過ぎて、頭の中だけでてぇてぇ…ってなってました。
コアなリスナーほど色んな想像が働いて、楽しめるようになっているといいなと思います。

歌詞について

配信内のネタとかはあまり気にせず、純粋にでろーんに歌って欲しい、というイメージの曲になっています。
こういうほんのり影のあるような歌詞を当てると、また「みんな樋口楓について考察するの好きやもんね(笑)」と言われそうですが…

何かに挑戦して成功を掴めなかったり、色んなことに中途半端なまま大人になってしまった人を勇気付けるような内容です。
誰しもそういう感覚は持っていると思うんですけど、特にVTuberとして活動されている方には当てはまる部分があるように思っています。

同じ言葉でも誰の口から出たものかで説得力は全然違ってくるもので、そういう意味でも、VTuberになった理由も話してくれているでろーんが歌う(と想定する)ことで、歌詞の意味がより強まるかなと思います。

「涙の足跡」をたどって着く先として、もちろん次のむぎちゃんのイメージソング「Home」との関わりも意識しているんですが、でろーんの場合は2.5次元から3次元だったり、現在から過去だったり、はたまた未来から現在だったり、色んな捉え方ができそうです。

アレンジについて

ギター、ベース、ドラムのみのシンプルな編成です。
こだわりのサウンドを聞かせるよりも、歌詞に込められたメッセージを増強することに全振りしたアレンジになっています。

40秒近い間奏もギターソロ!というよりは、ボーカルに代わって言葉にならない感情を音で表現しているイメージです。
曲のはじめに「悲しみだけじゃなくって 怒りや憎しみや喜びとか 数え切れない意味があって」というフレーズがありますが、まさにそういう混沌としたもの。

間奏は楽曲の展開をドラマチックにしたり、単純にボーカリストの休憩という意味でもある程度必要なものなんですが、ここでは歌いながら、聴きながら、これまでの色んなことを回想するための時間という意味も強いです。えるえるのときの間奏と近いですね。

終盤の特に聴かせたいところでは歌以外の全ての演奏を止めました。歌詞を聴かせる上で、無音ほど強烈なものってないと思うので。
その中で一発だけキメが入るのは、一歩踏みしめるイメージだったり、涙の一滴の表現だったりするんですが、バンド映えも意識しています。
竿物(ギター、ベース)主体の楽曲でのシンプルなキメは分かりやすく楽器を振れるし、統一されたアクションがあると観ていても印象に残るんですよね。

クレジット

作詞・作曲・編曲:Atelier LadyBird(吉村彰一、川崎泰弘)
Vocal:苺菓しえり(@Cherie_oO)
Electric Guitar:前谷尚幸(@Gt_Maetani)
Bass:前谷優幸(@kobayasisuto)
Programming:川崎泰弘(@don0924)

次回、M7. Home(家長むぎイメージソング)

今回はここまで!
次回はむぎちゃんのイメージソングについて書いていきます。
よろしければ、また覗いていただけると嬉しいです。

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