終わりの始まり3【回想】

小さな日々のケンカなどはしても、交際は順調でした

Aはとても優しくて、車に乗る時は必ずドアを開けてくれる

雨の日はAが先に車から降りて、助手席側のドアをあけて、自分は濡れても私が濡れないように傘をさしてくれた

身長が低い私には車の洗車は大変だろうと、私の車も洗車してくれた

もちろん、カバンも持ってくれようとした
ですが、これはさすがに自分のカバンは自分で持っていました

帰る時間は、日付がかわらないうちに必ず送ってくれた
（自分の妹の帰りが夜遅くなると、お母さんがとても心配するのを見ているので、私の親も私の帰りが遅いと心配されるだろうからと）

一度遠出した時、渋滞にはまってしまって帰宅が午前２時を過ぎてしまったことがありました
その時は私の親に遅くなったことを謝りたいと、玄関まで出てきた私の親に、わざわざ車を降りて頭を下げて謝ってくれた
こんな人がいるんだと、これには驚きました

とても誠実な人だと思った

とにかく、『あら？私ってお姫様？』と思うくらい、大切に扱ってくれた

そして約2年半の交際を経て、私たちは結婚することになったのです

結婚する3ヶ月前に、私は寿退社をしました
（今でも寿退社って言うのかな？？）

しばらくは専業主婦になる予定で

家はいろいろ考えたのですが、Aが

『男は昼間は仕事でいないし、実際そこで買い物だったり生活するのは女の人のほうだから、奥さんが暮らしやすい場所でいい』

とのことから、私の実家に近い、私が慣れている土地に住むことになりました

なおかつ会社にも近い場所です

なので、友達にも会おうと思えばすぐに会えたし、実家にも行きたい時にすぐに行けました

結婚して3ヶ月後

私は妊娠しました

妊娠2ヶ月終わりの頃
まだつわりもなかったのですが

Aが泊まりの出張に行ったので、妊娠初期で1人になるのが不安だった私は、実家に泊まりに行きました

その夜中、トイレに行った時でした
私は出血してしまったのです