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【小さな飲食店の作り方】意識高い系ラーメン

町中華系の老夫婦が作るシンプルな醤油味がブーム再燃の反面
若い料理人が独立してこだわりの食材で作り込む
新しいスタイルの澄んだスープのラーメン
前者は500〜600円の庶民価格
後者はスタンダードでも1000円を越すお高め
(これを最近では意識高い系と呼ぶそう)

今の流行りといえばこの二極化と思う
自分は最近意識して流行りのおしゃれなラーメン屋を選んで食事に行くが
どこもみんな勉強して本当に美味しいお店揃い。

”意識高い系”の定義など興味もないがよく観察してみると

・無化調で出汁の素材からしてこだわる
・主に澄んだ鶏スープに魚介系の香りのスープを合わせる
・塩ラーメンを主軸に地方のこだわり醤油ベースの醤油が
 サイドメニュー的存在・チャーシューは豚だけでなく
 鶏や牛に鴨なども。どれも低温調理で単体でも立派な
 一品としての完成度。当然こだわりのブランド肉使用・味玉
 にこだわる(卵の産地・鶏の出自まで)
・麺はオリジナルの配合を信頼できる麺工房に外注
・器やカトラリーにもこだわりがありイタリアンレストラン
 よりもそやれでセンスが良い
・サイドメニューに卵かけご飯とチャーシュー丼
・味に自信があるから卓上調味料が少ない

主だったものだとこんな感じでしょうか
感心するほど最近の若い独立した料理人はジャンル問わずに勉強し努力している
ラーメンの常識や習慣にとらわれずゼロベースで考え作りあげそして大衆の”ラーメン”に商品として完成させている

さてさて
このこだわり
突き詰めて行くとやはり原価がかかりざっと計算するだけでも
そりゃ売値1000円は超えるでしょう
それに手間もかなりのもの。仕込みにかかる時間も普通のラーメン店の倍はかかるだろうから人件費もバカにならない

経営という立場で見るとこのラーメンという商品
今まではターミナル駅前や繁華街だから高単価(1000円)で商店街や住宅地では低価格(500円〜600円)が推定客単価の相場だったと思う

今後は完全に逆転し繁華街や駅前だからこそ低価格帯のお店が中心となる
高価格の商品はどんどん住宅街や町外れに移動してくる
現に既にその流れは出来上がってきている

駅前はどんどんチェーン店系の安定した単価のお店が増え
こだわりの個人店は住宅街や地方に分散されていく

これはラーメン店に限らず飲食店全体の流れだ

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こだわるラーメンにはどうしも原価と手間がかかる以上高い原価と人件費を考えると家賃はどうしても安くなければ回らない

たくさんお客様が来て回転すればというけれどそれではクオリティが落ちる。
そのクオリティを保つためにさらに人件費と教育に掛ける経費が増える

家賃が安ければ当然調理場も広く取れるし客席にも余裕を持たせられる
10年前と違い今はスマホのアプリがあれば初めての駅で降りて徒歩20分でも
たどり着くのは容易になった。

何よりも本当に自信があればお客様は探し出してくれる
足を伸ばしてくれる。近所の人も評価さえあれば日常でなくても
利用してくれる。

要はネットやSNSを上手に使えば良い

そして一番のこだわりはスープでも麺でもチャーシューでもなく
作るオーナーの店のこだわり。
一つ一つの商品を丁寧にいつも通りいろんなお客さんに食べて頂き
感想を伺ったりコミニケーションをとったりして店のレベルを上げ理想の空間を作り上げていく

これは駅前の繁盛店では思い取りにできない
すごい行列など作る必要はない
普通に毎日満席になっていただければ良い
それで利益ベースの予算を作ればいいのだから

駅前の頑固な職人親父のラーメン屋は遠い昔の話
奇抜なスタイルで話題先行のブームも終わった
たった一杯のラーメンが作り手の人間性が評価される時代
そしてこれからその時代が続く

最小限のスタッフでチームワークを固め
きちんとした教育でお店の基礎を作り
こだわりのラーメンでファンを作りそのファンとともに
料理人としても経営者としても人間としても成長していく

これは理想論ではない
既に始まっている現実だ

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