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【若い料理人に伝えたい】調理場と暴力

野球で球界を代表する選手が後輩への暴力で問題となった
相撲界でも数年前横綱が後輩への暴力で問題になりその後も枝葉が伸びるのように
暴力の連鎖や告発が続き多くの看板力士や若い力士
国民の大スターだった親方までも業界をさることになった

暴力は何も産まない。そして全てを台無しにする。

自分が若き頃の調理場にはまだ暴力が普通に存在していた
今から35年前。
自分は師匠やさらに上司の総調理長に恵まれていた
どちらも仕事は厳しくうるさかったが
暴力は一切使わずそういう現場を嫌っていた。
それが浸透していたので先輩達からも暴力は受けていなかった。
ただやはり暴力で支配する輩はいた。35年経った今でも、
いや今でこそいつらを”先輩”などと呼ぶつもりはないし呼びたくない

その頃は奴らは本気でこう言っていた
仕事は殴られて覚えるもの
何クソって気持ちがあればそこから根性で這い上がってこい
体で覚えるにはこれが一番。
俺もこうして一人前になった
だからお前も我慢しろ

”嘘”である

単に上司に怒られたとか嫌なことがあっただけ
もしくは家でカミさんと喧嘩でもしたか子供が言うこと聞かないだとか
通勤の電車で足を踏まれたとか・・・
その八つ当たり。
下手すれば自分の贔屓の野球チームが負けた事で
鍋ぶん投げたり怒鳴り散らしたりする奴もいた
まるで動物園だ

繰り返す
全部”嘘”

自分はその後暴力を振るっていた人の
仕事のレベルなどすぐに抜き去り
どうやっても今の自分の足元どころか靴底にさえ及ばない奴らばかりである
料理人としての技術も知識も教育も全くダメな奴らばかりだった
その後彼らが仮に改心したとしても自分は許せないし
別に会いたくなどないし会いに来られても困る。
思い出などとうの昔にグリストラップの先に流して捨てた

自分は師匠に可愛がって頂いていたので
巻き込まれる事はなかった
それでも身近に目にし他のお店で働く同年代の
見習い仲間の話も聞くと全てとは言わないが
一定数のお店で暴力が行われていたもしくは黙認されていた

今は流石に調理場から暴力はなくなっている・・・と信じている
少なくとも暴力という名の嘘偽りの教育は
絶対に許されないし認められない

若い料理人に伝えたい

理不尽な暴力をする上司や先輩が一人でもいるお店は
今すぐ辞めた方が良い

耐える必要はない。なんの勉強にも経験にもならない
それよりも純粋な若い料理人達が洗脳されるのを自分は恐れる

そしていまだ暴力を教育とか文化とか美化する料理人がいたら
反省も謝罪もしなくていいから
お願いだから厨房から立ち去ってほしい
未来を作る若き料理人のためにも



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