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起きてくる動きをやらせてはいけない

「動きを見るときは、全体で。
 止まっているところがあるかを見る。」

以前そんな話をしましたね。
もう一つ気をつけたいことがあるのです。
 
こんにちは。
身体と動きの可能性をひらくダンス・キラメキスト
アレクサンダー・テクニーク国際認定教師 AT Dance さちこです。
 
主体的な”やる動き”
受動的に”起きてくる動き”

あなたはこの違いがわかるでしょうか。

たとえば、歩くときは腕が前後に振れます。
大股になるほど腕が大きく振れますよね。
じゃないと歩きにくいです。
だからといって
「歩くときは腕を大きく振りましょう」
これはちょっと違います。

歩く脚は主体的な動き
前後に振れる腕は起きてくる動き

歩幅やスピードに合わせて腕の動きは変わります。
バランスを取るためです。
身体は全体がつながっているから、
必要に応じて他の部分も動いています。
動かそうとしなくても!

それなのに、あえて腕を大きく振ったら?
今までは楽に大きく振れていた腕が
力でがんばって振ることになりますね。
身体としては、やらなくていいがんばりを
無理にやらされているわけです。

両方が主役になろうとがんばると
他の部分はどう合わせていいか困って
振り回されないように違う緊張が起きるかもしれません。

腕が動くときの肩甲骨
胸の前後アイソレーションのときの腕(肘)
骨盤を揺らすときの膝
脚を動かすときの骨盤

いろいろあります。
でもそれは、メインの動きの流れの中で
「起きてくる動き」なんですよね。

起きてくる動きを 「やってね」って言っちゃうと
生徒さんは一生懸命それをやろうとします。
不自然で力の入った、ギクシャクした動きになりますよね。
それはあなたが望んだこととは違うはずです。

「やってね」って言いたくなるのは
その動きが起きてきていないからだと思います。

少し前の記事で
「止まっているところはどこかを見る」
という話をしましたね。
起きるはずの動きが起きていないということは
どこかで止めているのです。
動きのつながりがどこで途切れているのか
そこを見つけましょう。

そして生徒さんにはこう伝えましょう。
「ここも動いて良いのよ」
〇〇してもいいよってOKを出してあげるだけ。

やりたいこと
それに必要な動き
つながりの中で起きてくる動き

その違いをわかって伝えるためにも
骨の身体のつながりを理解しておくこと、大事です。
”結果論”ではない教え方のためにも。

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