マルクス・ガブリエルの多元論


アタロウです。


2020年10月号の美術手帖『ポスト資本主義とアート』の最初の投稿を飾っていたのはドイツの哲学者マルクス・ガブリエルでした。いい機会なのでガブリエルについて考えている疑問を1つ呟きたいと思います。


1年以上は前にはなりますが、マルクス・ガブリエルの『なぜ世界は存在しないのか』を読みました。


ガブリエルの主張はざっくりと「存在するとはex-istで、他から区別されている」ものであるから、「全てを包摂するもの(これを世界と呼ぶ)は存在しない」というものだったと思います。

それは言葉の語源を使って表現していて別にいいのですが、その「世界」というものが(これをスピノザは神と表現したものだと解釈しています)「自己原因」的であるとし、一元的に存在すると考えたのがスピノザではなかったでしょうか。

そしてスピノザの主張「神(=世界)が存在する」とガブリエルの主張「世界は存在しない」を比較したときには、スピノザの方に論理的な主張が認められるような気がしています。


どちらにせよ両者とも言っていることにあまり違いはないように感じられ、それを一元的と捉えるか多元的と捉えるかの違いであって、ガブリエルの新規性はどこにあるのかよくわからなくなっています。


ご教示のほどよろしくお願いいたします。

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