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公民科教員の本棚(法律編)

公民科教員の悩みの種は、とにかくカバーすべき分野が多いことではないかと思います。同じ教員が倫理も政治経済も教えないといけないのは、正直かなり大変……
ということで、私が読んだ or 今後読もうと思っている「授業準備に役立てられる本」を分野別にご紹介します。今回は法律編です。一人でも多くの教員の方や教員志望の方のご参考になれば幸いです。
※随時追記します。

【最初の一冊】『憲法を学ぶための基礎知識 - 論点日本国憲法』
私は法律専門ではないですが、憲法の学習は中学公民や高校政治経済の中核なので、この本にはかなり助けられています。各論点が見開き一ページでまとまっているので、辞書代わりにも使えるバランスの良い一冊です。

【見方を学ぶ】『自分で考えるちょっと違った法学入門』
この本のケーススタディを中高生の授業でそのまま扱うのは難しいですが、問題2(エレベーターの修理費用)を授業内で扱った時はかなり盛り上がりました。事例をもとに法学の考え方にアプローチできる、おすすめの一冊。去年第4版が出ました。

【最近の新書から】『AIの時代と法』
法の未来を構想できる一冊。自動運転などの具体例も交えながら法のあり方を平易に解説してくれています。どうしても法体系がガッチリ定まっているイメージで法律分野を教えてしまいがちですが、この本は「法のあり方が時代の要請と共に変化していく」という当たり前の事実を改めて気付かせてくれます。

【大学レベルの一冊】『法哲学』
サンデルの「これからの正義の話をしよう」で一躍有名になった正義論ですが、この本はそうした正義論の論点を丁寧にまとめてくれています。第Ⅱ部の法概念論はまだきちんと読めていませんが、こちらも面白そうです。政治経済・倫理どちらにも活用できる一冊。

【穴になりがちな分野】『労働法入門』
中学社会科や高校公民科で意外と扱いづらいのが労働法。労働というテーマが憲法分野と経済分野に分かれてしまっているのも、扱いづらい原因の一つかもしれません。この『労働法入門』は、労働法の理解に必要な論点を一冊でコンパクトにまとめてくれています。去年新版が出ました。

【大学へのステップアップ】『法律を読む技術・学ぶ技術』
中高での「法律の学習」から大学での「法学」への橋渡しをするうえで、この本は最適だと思います。法や経済は高校と大学での学習内容のギャップが大きいのが悩みどころですが、こうした本を読んでおくことで「こんなはずじゃなかった…」という学部進学後のミスマッチを防止することができるでしょう。

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