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哀れなるものたち

1ヶ月ほど前に観た映画。
私は私の人生を現しているようなこの映画が好きだ。

主人公のベラは、モラハラ旦那に嫌気がさして自殺する。その後、自分の中に宿っている胎児の脳を移植して人生を自由に生きなおすというストーリーだ。

人生でこーゆー事あったなーと思いながら映画を観た。

勿論、映画で表現されている事と同じ事が起きている訳ではない。ただ自由に生きたいと願う女性なら誰でも経験する事を大胆に風刺している。

読んでいる本を海に捨てられた事はないが、女性だからという事で入試の点数を引かれた事はある。

売春をした事はないが、黙ってニコニコしていた方が手っ取り早いなと思った事はある。

女性は若く、美しく、耳障りの良い事しか言ってはいけない。誰かに教えられた訳でないが、そうであった方が得なのではないかという空気感は幼少期からヒシヒシと感じてきた。

私の母は若く美しく耳障りの良い事しか言わない事で、社会的地位のある父に選ばれたと思っている人だった。

おそらく、父はそれで選んだと思う。
ただ結婚生活を送る中で母はどんどん衰弱していった。

幸せなフリは続かない。

子供ながらに、女性が自分を卑下する事で幸せを掴む事なんてできないんだとわかっていた。
それでも私は自分の若さや美しさ、馬鹿なふりをした方が楽だという事に胡座を書いていた。

だからずっと自分がどこか嫌いだったのかもしれない。

哀れなるものたち。

映画を見終わった後は男性の事を指していると思っていた。

いや、違う。
哀れなるものは、自分の意見を言わずにニコニコする事で幸せにみえる何かを掴もうとする女性の事を指しているのではないだろうか。

最終的にベラは自由な冒険を終え
愛する人の待つ家へと帰ってくる。

私もベラよのように
自由に自分らしい道を歩いて本当の幸せに辿り着きたい。







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