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ATARAにおけるRPAの導入に関して(DeNA製ツール:coopel)


前置き

こんにちは、ATARAの小野澤です。この記事ではRPA導入を考えている企業向けにATARAのRPA導入にあたって、試行錯誤した点をお伝えします。RPA導入を考えているものの、導入において考えないといけない論点が多くて、なかなか導入に踏み込めない会社は多いのではないでしょうか。

皆様のご参考となれば幸いです。

ATARAがRPA導入を検討した背景

ATARAではマネーフォワード勤怠を利用しており、勤怠管理を行っていましたが、それらをBIツールで個人、チーム、組織全体の勤怠状況を可視化したいと需要がありました。

通常はSAASであれば、各サービスが提供されているAPIを活用して、データ取得やアクションの自動化を実装することが多いですが、マネーフォワード勤怠では勤怠データの取得機能がAPIとして提供されておらず、API利用以外の方法でデータを取得する方法を考えないといけませんでした。

そこでマネーフォワードの勤怠出力ボタンを押す操作をRPAで自動化することで実現しようと考えたのがRPA導入のきっかけとなります。


そもそもRPAとは

RPAの定義

RPAについてご存知な方もいらっしゃるかと思いますが、ここで再度整理をしておきましょう。RPAとはRobotic process automationの略で、定型的なプロセスを自動化するという概念のことです。

RPAを適用する業務イメージ
より具体的なイメージとして、「特定のフォーマットのレポートを作り、特定のアドレスにメールを投げるといったプロセス」がわかりやすいかと思います。これらはフォーマットも送付先も変わらないので、まさに定型的なプロセスを自動化するプロセスですね。

RPAツールとは

RPAの概念を前提に考えると、RPAツールと呼ばれるのは定型的なプロセスを自動化するツールということになるのですが、実は得意領域ごとに呼ばれ方が異なることが多いです。


IPAAS API連携による自動化

API連携による自動化に特化したツールはIPAASと呼ばれており、有名なところではIFFTやzapierなどがあります。

RPA 画面操作による自動化

画面操作による自動化に強いツールはRPAツールと呼ばれており、uipath、automation anywhereなどが挙げられます。

ツールのポジションと自社との適合性

名前の違いというよりは、各ツールのポジションの違いに注意し、API連携に特化しているのか、画面操作に特化しているのか、両方を強化しているのかを見極めたうえで、自社に合うツールを選ぶ必要があります。


結論:ツール選定においてcoopelを選んだ理由

ATARAではcoopelというDeNAのRPAツールを導入しました。

このツールを選んだ理由としては大きく3つの理由があります。

①価格が安い

ツール利用費が月5000円と安いので、もともとの予算感に十分収まる。(年間数十万以下)

②十分な機能性

coopelでは一般ユーザーにも優しいUIで基本的な画面操作とファイルダウンロードが実施できたので、画面操作の自動化ツールとしては十分でした。

補足にはなりますが、ATARAはAPI連携の自動化としてすでにzapierを導入していたので、画面操作はcoopelで処理し、API連携はzapierで処理するというすみ分けでたいていの問題は対処できると判断しました。

(現状ではこのように低額RPAとIPAASを組み合わせる使い方が最もコスパが高いのではと考えています。)

③クラウドRPA

一番重要な観点かもしれませんが、クラウドサービスとして提供されているため、実行環境をATARAが持たないという点に一番惹かれました。

実はRPA導入で一番危惧していたのは、RPAで作成したシナリオが止まったときにどのように対応し、それにどれだけRPA専任チームの工数がかかるかということでした。

coopelのようなクラウドサービスとして提供されているものであれば、シナリオが止まった際には、エラー原因とそれぞれの対応が以下のようになり、RPA専任チームの対応工数をあまり必要としません。


■エラー原因と対応

①自動化対象のサイトのUIが変わったためシナリオが止まった。(HTML要素の変更)

⇒対応としては、再度新たにHTMLを取り直して、作り直す(この作業は数秒程度で実行可能)

②実行環境に問題があるため、シナリオが止まった。

⇒対応としては、DeNAに問い合わせをして、実行環境起因の問題を対応してもらう

③APIに問題があるため、シナリオが止まった

⇒API提供側の問題とはなるが、DeNAに状況を確認いただく、APIの改修を待つ(利用者にとってはそれがAPI起因なのか、ツール起因なのが特定できないため)

④シナリオのロジックが破綻しているため、シナリオが止まった。

⇒RPA専任チームが修正のサポートをする


検討した他のツールについて

①クラウドBOT

月額3000円と値段は安いものの、ファイルダウンロード機能がないため、要件に合わないと判断。


②Robotic Crowd

機能としてビジネス要件は満たすものの、月額料金が15万円と予算感を超えてしまった。(UIも機能性も非常に優れている)

③power automate

power automateにおけるクラウド型のRPAは1シナリオ毎に16,310円が課金されるため、課金モデルと自社の利用形態にあわないと判断。

https://flow.microsoft.com/ja-jp/

※上記のツールも何人で利用するのかによって、一人当たりのコストは変化するので注意が必要


まとめ

価格が安く、機能性もあって、クラウドRPAとして提供されていることもあって、coopelというツールを導入することになりました。



次回以降で実際のツールの使い方やcoopelと連携するIPAASについてご紹介したいと思います。



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