ショールームを巡ってトイレの進化に想いを馳せる ~熱海の崖に家を建てる【設備編】
ゆるっと実施設計が進んでおります。
設計チームから宿題。
「希望の住宅設備を教えてください」
そんなことを言われたら、ショールームをめぐってしまいます。
今日は最も進化しなさそうな「トイレ」に着目して、最近のトイレ事情をレビューします。
ショールームで体感した最近のトイレ事情
トイレといえば、国内では「TOTO」、「リクシル」、「パナソニック」が3大ブランド。あと米国で最大シェア(24%)の「コーラー」あたりを加えましょうか。せっかくなので、4社のショールームに出かけてまいりました。
この記事ではショールームで体感した独断と偏見に満ちたトレンドレビューをお伝えできればと思います。キーワードは「ますます掃除しやすくなっている」、「デザインも進化」、「IoTは猫トイレの勝ち」となります。
具体的なスペック比較は、ネットにあります。詳しくご覧になりたい方は、例えばこちらをどうぞ。
トイレ掃除が憂鬱な方必見!
トイレ掃除が楽になるように、各社素材開発に努力されています。ここは正直比較のしようがありません。どのメーカーのものも、おそらく10年前より汚れにくく、掃除しやすくなっていると思われます。
そんな中、明確な違いを感じたのは、パナソニックのアラウーノ。
蓋をあけると水面全体に泡が出現しています。トイレをする度に、泡が便器を洗ってくれるのです。加えて便座をあげる(男性用)と溜水面の水位が下がり、トビハネを押さえるのだとか。意外と床や壁に飛び散っていますからね。助かります。
この泡、食器用洗剤とのこと。3か月に1回は充填必要とのことですが、掃除の頻度がぐっと減りそう。
加えてアラウーノは、便器と便座が「スゴピカ素材(有機ガラス系)」でできており、成形が自由なのが特徴。便器のふちが3mm立ち上がっていて垂れ漏れを防いだり、便座と便器の継ぎ目がないなど、汚れにくい、掃除しやすい工夫がいたるところにみられます。ノズルがステンレス製というのも好印象です。
トイレクイックルでさっと拭く、が推奨とか。
実は最初に伺ったショールームがパナソニックさんでした。シェア3位だし、あまり期待していなかったのですが、途中で何故かお腹が痛くなり、ショールームに併設されているトイレ(アラウーノ)をリアルに使わせていただいたんですね。これがね、快適で印象逆転。
個室に入ると自動で蓋があいて、立ち上がると自動で蓋が閉まりそれから流れる。ハンドフリーなのです。自宅のトイレ(旧INAXのサティス)に比べ便座が大きく安定感がある。自分のしたものは泡に隠れてしまうのでそれがいいのか悪いのか、そこが微妙かなというところでしょうか。
実体験が若干パナソニックびいきを助長しているようにも思います。
一方で、帰宅してネットをみると、「(陶器ではないので)傷がつきやすい」、「汚れると落ちにくい」といった記載も多数ありました。どうやらアラウーノは、「掃除しやすい」と「汚れると落ちない」の書き込みが2極化しているようです。ひょっとすると、指定された洗剤やメンテナンス方法以外で使うと問題が発生するのかも。
正しく掃除する前提ですが、掃除という観点でいうと、パナソニックさんが星1つ抜け出ているように感じるのは私だけでしょうか。うーむ、もう1回ショールームに行って確認してこないと決心できないなあ。
「全然トイレに興味ないし…」と思っていたあなたも、この新デザインにはきっと驚かされるはず!
実は今の家の内装を検討した10数年前、便器は旧INAXさんのサティス1択でした。当時はデザインのサティス、という感じだったのですよね。
今回、売れ筋のタンクレストイレ(30~40万円)で3社を比較しました。正直デザインは大差ないという印象です。TOTOさんは色付き便器、パナソニックさんは蓋デザインのバリエーションなどがありましたが、私は「白」一択。加点はありません。
ところが、お値段帯が少し上になると、驚くようなデザインが発売されていたのです。
TOTOさんのネオレストNX
実はこの便器、私が通っている美容院に最近導入されたもの。
トイレの扉を開けて、初めてこの便器をみた時、思わず「なにこれ!」とパシャリ。今回のトイレショールーム巡りで改めてTOTOさんで発見し、お値段に驚きました。65万円!
なんというか未来感満点で、トイレをしながら宇宙飛行できそう。
トイレのデザインもやればできるんだなと思わせてくれた一品です。
でも、もしこの便器を入れちゃうと、崖の家の一番の印象は「トイレがすごい」になっちゃいそうです。いやいや、そこは強調ポイントではないので、選択肢からは外すことにしようと思います。
映画に出てくるトイレはコーラーだった
やっぱりね、アメリカものはちょっと違います。
コーラーさんの便器は、なんというかクラシカルで端正。タンクありでも、縦横のバランスがよいのか、むしろ素敵です。
日本製は蓋はプラ素材なので触った感じがプラなのですが、こちらは蓋まで陶器なので重厚感が高い。
手洗いもスタンドアローンのものにして、少し広めの空間にすると、「バスルーム」な印象になりますね。床の大きなタイルがポイントなのでしょうか。映画に出てきそうで素敵。
問題は温水便座がついていないことなのです。
どうしても温水便座を付けたい時は、TOTOさんのアプリコットを後付けするんですって。少し便座が高くなって、ただでさえ外人さんに比べて足が短い日本人には落ち着かない座り心地になるのではと心配です。
こちらは輸入ものなので、タンクありなのに60万円オーバーでした。
値段の差は、機能の差というより、デザインの差なのね。。
IoTは猫トイレの勝ち
スマートハウスの延長で、トイレのIoTはどのくらい進んでいるんだろう?健康チェックくらいしてくれるのかなと思っていましたが、この分野はまだまだでした。
一番進んでいるのがパナソニックさん。アラウーノアプリで、離れて暮らす家族のトイレ状況、お手入れタイミング、電気や水道の使用状況、お通じの状況(手入力)等をモニタリングできるとのこと。でも一人別の健康管理からは程遠い。
ちなみに我が家のトトメイは「Toletta」という猫用IoTトイレを使っています。トイレを使った時間、尿の量、体重を映像とともに毎回自動計測&記録。どちらが使ったかAIで自動判別します。実際には結構間違えるので、全トイレ状況を私が確認して再分類していますが。。
トイレ回数が増えたり、体重当たり尿量が増えると日々教えてくれる、トトメイの健康管理にはなくてはならないサービス。月2にゃんまで1350円。これでトトメイの寿命が3年延びると思えば安いものです。
人間のトイレはさすがにカメラをつけるわけにはいかないけれど、前面か座面にセンサーを付けて体重で区別すれば猫トイレくらいのことはできそうですよね。猫トイレに負けてる人間トイレってどうなんだろう?トイレメーカーはIoTやる気ないんでしょうね。
便器+便座の値段はいろいろ
メーカー小売り価格でいうと、同じようなスペックであればTOTO>リクシル>パナソニックの順。
我が家が気に入ったパナソニックはどうやら、一番お得のようです。
ググるついでに、便器の型番を入れてみると、あらら、メーカー小売り価格の半額以下がたくさん出てくるではありませんか。
施工会社さんが受け入れてくれるかわからないけれど、施主支給にしてしまえば、正直どのメーカーを選んでも値段は大差ないレベルになってきます。
便器の闇ですね。。
まとめ
とここまで書いて、リクシルさんのサティスに言及していないことに気づきました。お気づきのとおり、個性が薄いんです。今の家のトイレはサティスなので決して嫌いなわけじゃないけれど、トイレのトレンドを語るには個性がなさすぎる。デザインのサティス、がんばれ!
個性強めのパナソニック アラウーノにするか、シェア6割を超える鉄板のTOTOネオレストにするか、お値段リーズナブルなジャニスという選択肢もあり。
〆切までもう少し調べて、悩もうと思います。
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