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ヨーロッパリーグ決勝を間近に控えて

 来る5月23日午前4時(日本時間)、アタランタはクラブ史上初のヨーロッパリーグ決勝の舞台に立つ。初の欧州決勝ということもあり、アタランティーニは楽しみで眠れない日々を過ごしているのではないかと思う。
 場所はアイルランドの首都ダブリンにあるアビバ・スタジアムで、収容人数は5万1700人、アイルランド代表のホームスタジアムとして使われている。過去には10-11シーズンのヨーロッパリーグ決勝の舞台としても使われている。
 対戦相手は今季無敗という偉業を成し遂げているレヴァークーゼン。過去に21-22シーズンのELで対戦しており、その際はホーム&アウェーどちらも勝利しているが、今はチームの状況が全く違う。ブンデスリーガでは28勝6引分けですでに優勝を勝ち取り、DFBポカールも5連勝で決勝へ駒を進めている。ELでは全勝でグループステージを突破。ノックアウトステージでは苦戦しながらもATの奇跡を起こしまくり決勝進出。現在欧州で最も注目されているチームと言っても過言ではない。怪我人も0のようで万全の状態で決勝に挑む。

予想スタメン

フォーメーションはレヴァークーゼンが3バックなのを考えると3-4-2-1だろう。
 キーパーは全く読めない。レッチェ戦にムッソを起用したのがカルネセッキを温存するためなのか、ムッソを試合に慣れさせておくためなのか。個人的にはELに出続けているのと、ELでの調子の良さからムッソを出して欲しいと思ってる。
 3バックはジムシティ、ヒエン、スカルヴィーニだろう。前者2人は確定として、スカルヴィーニは怪我から復帰後コンディションが上がらないため起用を迷うが、他にCBができるコラシナツ、デローンが怪我で起用が難しいのと今年のトロイはあまり見ていられないので、スカルヴィーニが最善策なのではと。レヴァークーゼンは前線が誰が出るからわからないが、シックやボニフェイスがトップの場合はヒエンが抑えてくれるのではないか。
 ウイングバックは右ザッパコスタ、左ルッジェーリで間違いないかと思う。ハテブールも最近は調子を上げているが、やはり不安定な足元とレッチェ戦のフル出場を考えるとスタメンではないかと。ホルムも復帰したとしても先発はしないだろう。レヴァークーゼンの要とも言えるWBを抑える役として、フリンポンのスピードをルッジェーリが抑えられるのかはかなり注目している。
 ボランチはルックマンを先発させるか否かで変わってくるのではないか。もしそうならコープマイネルスとエデルソンだし、させないならパシャリッチ、エデルソンになるだろう。パス回しの上手いアンドリッヒ、ジャカ、パラシオスに対してエデルソンやコープマイネルスが強く当たれる状況が作り出せればチャンスに持ち込めるだろう。
 1.5列目はデケテラーレとルックマンもしくはデケテラーレとコープマイネルスになるだろう。マルセイユとの2nd legでかなり好感触だったので個人的には前者を見たいが、ガスペリーニは大事な試合では冒険せずに堅く入る傾向があるので後者を予想する。ここ数試合デケテラーレが空いたスペースを探してボールをもらえるかが勝利の鍵を握っているので、そこに注目して見ていきたい。
 最前線はスカマッカ、これは絶対間違いない。EL優勝を決めるのは絶対的エースとなった最高のコンディションの彼のゴールであると私は確信している。

アタランタの今季ELでの軌跡

グループステージ

 グループステージは無敗で通過。
 第1節はラコフ相手に終始押し込んで勝利。
 第2節はポルトガルリーグ王者であるスポルティング相手に前半は圧倒し2得点。後半かなり危ないシーンもあったがなんとか勝利。
 第3節はホイルンドの古巣でもあるシュトゥルム相手にまたしても前半は圧倒。後半退場者を出したシュトゥルムに追いつかれ引分け。
 第4節はシュトゥルム相手に攻め手を欠くも、CKからのジムシティのゴールを守りきり勝利。
 第5節はスポルティングをホームで迎え早々に先制するも、その後は終始攻め続けられるも失点を1点に抑え、グループステージ首位通過を決めた。
 第6節のラコフ戦はすでに首位通過を決めたことで大幅にターンオーバーするも圧勝。若手の可能性を引き出した。

ラウンド16

 ベスト16の相手はグループステージでも対戦したスポルティング。
 1st legはアウェイでヒエンがパウリーニョに苦戦し先制されるも、スカマッカのゴールで追いつき、その後もチャンスを作り続けるも逆転には至らず引き分け。
 2nd legはホームで先制されるも、後半開始直後のルックマンとスカマッカの2ゴールで逆転勝利。

ラウンド8

 ベスト8の相手は優勝候補と目されたリヴァプール。数々の偉業を成し遂げ素晴らしいチームを作り上げた名将クロップが率いる。
 1st legはアンフィールドでの完全アウェイの一戦。激しいプレスからの縦に速い攻撃に徹した結果、スカマッカの2ゴールもありまさかの3-0の完勝。今季アンフィールドで初めてリヴァプールに土をつけ、一躍欧州中から注目されることとなった。
 2nd legはホームでリヴァプールを迎える。序盤にPKから先制されるも、その後は立て直し、徹底したマンマークでリヴァプール攻撃陣を抑えこむ。後半も集中を切らさず被シュートを1に抑え、見事クラブ史上初の欧州大会ベスト4進出を決めた。

ラウンド4

 ベスト4の相手はマルセイユ。2度の監督交代もありリーグ戦ではかなり不調だったが、なんとかELでは勝ち進んできた難敵。
 1st legは今季まだPSGしか勝利を得ていないマルセイユのホームに挑む。スカマッカのゴールで先制するもヒエンを欠いたDF陣がオーバメヤンを中心としたロングボール主体の攻撃スタイルに苦戦。なんとか失点を1に抑え、アウェイで貴重な引分け。
 2nd legはホームにマルセイユを迎えると、ヒエンがオーバメヤンを完封。ルッジェーリの奇跡の右足ゴラッソも決まり3-0の完勝で初の欧州大会決勝に駒を進めた。

今シーズンのアタランタ

 1週間前に行われたコッパイタリア決勝では惜しくもユベントスに敗れ、ガスペリーニ政権下3度目の決勝もトロフィーを勝ち取ることはできなかったが、シーズンも終盤に迫ってチームの完成度はかなり高くなってきている。ヒエンの加入とマークの受け渡しのスムーズになったことにより失点がかなり減り、スカマッカの好調と攻撃陣の自信により安定してチャンスを作れるようになっている。その結果ローマとの直接対決も終始圧倒し、来季のCL出場権獲得も決定した。怪我人はパロミーノが確定でスカッド入りしていない。デローンは恐らく出場不可、ホルム、コラシナツが疑わしいとこだろう。

 ガスペリーニの8年間の集大成をここで発揮して今季の最注目チームであるレヴァークーゼンを破り、無敗記録を止めるとともに悲願の初タイトルを獲得して欲しい。
Forza Atalanta!!

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