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⑥常識は正しいの?

少し入院生活での
出来事を
話そうか。

ぼくは3回入院している。
初入院のことは
話しているので
どんな状況だったのか
少しはわかって
もらえたかな?

内、3回目は
自主入院だった。
自分から望んで入院した。

不思議なことで 
入院生活の方が覚えている。

入院、治療して
ある程度良くなって
退院するわけだけど。  
退院後の方がもっと
覚えてない。

ぼくが思うに。

入院中は 
規則正しい生活を 
強いられるし
食生活は
管理栄養士によって
カロリー計算されている。
そして。
そばには支援する人
看護師、主治医がいる。

考えてみてほしい。
その環境下から
外された
【外】の世界。

病院の建物から
出たことがない人間が
【外】の世界で
生活できるのか?

自由に寝起きできる時間。 
好きなものが食べられる食事。
なんでも触れる
見ることができる環境。
公共施設の使い方。
車が通る道路…

そんな中に
放り出されるのだ。

ある程度良くなったから
といって  
トイレの仕方も
服の着方を忘れた人間が
すぐ適応できると
思えますか?

想像しにくいと思う。

いつからか
はじめての
入院生活の中で
身の回りのものを
与えられた。

衣服
あとは
絵を書く鉛筆、
ボールペン
手紙を書く便箋。

それくらいだったかなあ。

入院生活の中で
とくに印象に残っている
出来事をいくつか話すね。


🤭水道流しっぱなしですよ~🤭

これははじめての入院生活で
ぼくが4人部屋へ
移動したときのこと。

歯を磨いてる
おばあさんがいました。
ぼくは歯は磨いてなかった
と思う。

しばらくおばあさんを 
見てた。
【人間観察】を
無意識にしてたと思う。

歯を磨いてるとき
水が流しっぱなしだった。

とっさに 
「水が流しっぱなしですよ!」
と水を止めた。

おばあさんは
「うるさぁぁぁぁぁい」

と叫んで
また水を流しはじめた。

ジャージャー流れる水をみて
ぼくは困惑した。

ぼくの中では
【水はいちいち止めるもの】
という常識があったから。
それに水がもったいない
と思ったから。

困惑していると
看護師さんが

「あれはあれでいいのよ」

と言った。


それがはじめての  
障がい者との接し方 
の学習だった。

常識や慣習とは
ある意味恐ろしいもので
こういった
とっさの出来事で
その人の考え方が
無意識にでてくる。

今回の場合。


水は流しっぱなしはダメ



のように。

◯◯はダメと
頭ごなしに決めつけ
接するのは
よくないと学んだ。

たしかに
水はもったいないけど。
ここの【世界】では
それは関係ないように
許容されている。

なんだろ。
障がい者の自由でいい
みたいな感覚。

きちんと教えてもらった
わけではないが。
そうやって
◯◯はダメと接すると
癇癪を起こす人が
多かったように思う。

でも今まで、
それが正解だと思っていた
ぼくはびっくりした。

えっ!!?っと
衝撃的だった。

当時はなんでなんで?
と受けいれられなかった。

きっと
自分が、正しい。
これが当たり前。

そう思ってたからだと
今は感じている。

だから。
正解、不正解は
あまり意味がないんだな、
その人の考え方が
それぞれあるように
正解、不正解も
それぞれ
あるんだなと。

考えるようになった。


これは実は障がい者の
世界だけではない。
健常者に対しても
言えること。

それから
誰かと
接するときは

◯◯はダメという
価値観を
押しつけないように
接している。



             つづく


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